旧北宇和郡三間(みま)町(現宇和島(うわじま)市)が位置する三間盆地は、北部の高森山系と南部の泉ヶ森山系に囲まれ、三間川の肥沃な沖積地が広がっており、古くから県下有数の米どころとして知られてきた。一方、減反政策に伴う転作事業として野菜栽培が始まり、米以外の農産物の生産も進められた。また、休耕田を利用した花卉(き)栽培も行われている。 本章では、旧三間町の主産業である農業に従事した人々のくらしや思いについて、その一端を明らかにした。