データベース『えひめの記憶』
愛媛学のすすめ
(3)報告書の内容
ア 平成3年度
①テーマ 「瀬戸内の島々の生活文化」
②主な内容
○島々の概観
瀬戸内の島々の自然環境と歴史について概観することにより、本書全体の理解を助けるための導入的部分とした。
○自然環境の変遷
島々の昔の植生をまず推測し、それを人間の手でどのように変化させてきたかを探り、自然環境と生活文化との関係
を明らかにしようとした。
○生活文化史
農業・漁業・商業等に従事する70歳前後の(昭和を生き抜いた)人々が築いてきた生活文化に焦点を当て、仕事、家
庭生活、村落共同体、民俗等について調査研究し、島の生活を支えてきた人々の生きざまを明らかにしようとした。
○生活意識の変容
島の人々が生活についてどのような考え(意識)を持っているか、また、それがどのように変容してきているかを、全
県的な調査とも比較して明らかにしようとした。
イ 平成4年度
①テーマ 「宇和海と生活文化」
②主な内容
○昭和を生き抜いた人々のくらし
・岬と湾のくらし
農業と漁業、それを取り巻く自然の三つの視点から、佐田岬半島の岬端と湾奥のくらしを対比させて、その特色を学
際的に明らかにする。
・交通の発達とくらし
交通の発達と地域生活の変容との関係を、昔の街道、岬端と湾奥の交通ルート、九州との文化交流、及び南予の玄関
としての八幡浜等の調査を通して明らかにする。
・くらしの中に受け継がれた自然
この地域の生活文化の特色を、自然伝承や食文化、及び地形とくらし等に焦点を当て、自然科学的な視点からのアプ
ローチを試みる。
・地域に尽くした人とくらし
この地域を代表する歴史的群像や職人の生活に焦点を当て、彼らの生き方や考え方が、今日の生活の中にどのように
生きているかを明らかにする。
○宇和海沿岸地域の変容と生活意識
・写真で見る地域の変容
調査対象市町村の代表的な自然景観がどのように変容してきたか、昔(主に戦前)と現在との写真を対比させて概観
する。
・生活意識の変容
この地域の人々が生活についてどのような考え(意識)をもっているか、また、それがどのように変容してきている
かを、前年度の調査も参考にして、この地域の特色を明らかにする。