峠は、交通の障壁であるとともに、平野部や他地域とを結ぶ結節点であり、人やモノが行き来する場所であった。山地に囲まれた久万高原町には多くの峠があるが、本章では代表的な三坂峠、黒森峠、地芳峠に焦点を当て、峠と人々のくらしとのかかわり、山間部と平野部の交流や峠を越える道路、交通手段の変容などを明らかにしようとした。