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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業Ⅲ-八幡浜市-(平成24年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第3節 大島の町並み

 八幡浜市大島(おおしま)は、八幡浜港から南西約12kmの海上にある、粟ノ小島(あわのこじま)、大島、三王島(さんおうじま)、地大島(じおおしま)、貝付小島(かいつきこじま)の大小五つの島から成る。そのうち人家のある大島は寛文9年(1669年)の開島と伝えられ、以来、イワシ網漁を主として生計が立てられていた。昭和20年代半ばには、面積約0.8km²の大島の東岸に集まった家並みに、1,200人を超える人々が暮らしていた。
 大島は、臨済宗(りんざいしゅう)の名僧である田翁(でんおう)(1695~1779年)、行応(ぎょうおう)(1756~1831年)両和尚(おしょう)の生地で、昭和40年(1965年)には県立自然公園の一部に指定され、ハマユウやウバメガシの自生する風光明媚(めいび)な海浜(かいひん)公園でニホンカワウソ(イタチ科の哺乳類)の特別保護地区としても知られた。平成16年(2004年)に「地震の化石」と呼ばれるシュードタキライトなどの変成岩類が国の天然記念物に指定されるなど、自然豊かな島の風情(ふぜい)が変わらない一方で、現在、人口は300人を下回り、過疎化と高齢化が急速に進んでいる。
 大島の昭和30年代から40年代ころのすがたやくらしについて、Aさん(昭和2年生まれ)、Bさん(昭和3年生まれ)、Cさん(昭和3年生まれ)、Dさん(昭和12年生まれ)から話を聞いた。