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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業Ⅷ -新居浜市-(平成27年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第2章 海の恵みと人々のくらし

 燧灘(ひうちなだ)に面する新居浜(にいはま)市の沿岸部は、『西条(さいじょう)誌』によると新居浜浦と記され、西条藩内第一の漁場として漁業が盛んに行われ、塩辛奉行や魚座が設けられるとともに、近世以降は塩田や別子(べっし)銅山の搬出入港としての機能を有し栄えていたという。また、現在、新居浜市唯一の島である大島(おおしま)は、同書に大島浦としての記述があり、藩内第一の海運の盛んな港として記録が残されている。
 本章では、近世の開発以降、250年余り続いた多喜浜(たきはま)塩田での仕事に従事した人々や、塩田がある風景の中でくらしてきた人々、沿岸部や大島での漁業や農業など、自然の恩恵を受けながらくらしてきた人々の、生業とともにあったくらしや思いを明らかにしようとした。