データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業Ⅸ -砥部町-(平成27年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第1章 昭和の町並みをたどる

 愛媛県の中央部に位置し、松山(まつやま)市の南に隣接する砥部(とべ)町は、平成17年(2005年)に旧砥部町と旧広田(ひろた)村が合併して誕生した。南は山が多く、北は道後平野の一角を占め、南北に流れる砥部川沿いに国道が走り集落が開けている。松山市と高知県とを結ぶ国道が縦貫する交通の便と、変化に富んだ緑の自然により、松山市のベッドタウンとして昭和41年(1966年)以後住宅が激増し、人口の増加率は県下各市町の中でもトップクラスである。柑橘(かんきつ)類を主体とした果樹栽培が盛んであるほか、経済産業省より伝統的工芸品の指定を受けている砥部焼は、手作りの良さと独特な材質が好評を博し、松山圏の重要な観光資源となっている。
 本章では、かつて砥部町役場が所在し、旧砥部町の中心商店街を形成した大南(おおみなみ)地区及び古くから街村として栄えた原町(はらまち)並びに旧広田村の中心集落であった総津(そうづ)をそれぞれ取り上げ、それらの地区の昭和30年ころの町並みについてまとめるとともに、町並み図を復元し、当時のくらしの一端を明らかにしようとした。