データベース『えひめの記憶』
追刊 中山町誌
第二節 中山町の保健衛生
国の高齢化対策ゴールドプラン・新ゴールドプランなどの大きな動きのなかで、中山町においては、平成七年理学療法士の採用を行い、機能訓練事業や手摺り付け訪問やデイサービスセンター(C・D・E型)でのリハビリ指導、広く一般への健康教育、個別訪問指導など、介護予防への取り組みを開始した。
また平成八年には、六五歳以上の町民全員を対象に、国内でも画期的な健康調査(痴呆スクリーニング)を実施した。それによって以後幸梅園・在宅介護支援センタ―を中心に痴呆対策が確立する。これは一過性の取り組みではなく、調査は段階を踏み三次調査まで実施し、痴呆性老人の把握・働きかけを行い、さらに痴呆予防事業へと発展させた。
本町においては、高齢者支援事業や国の指定する「介護予防・地域支えあい事業」の中から市町村が地域のニーズや実情を勘案して選択、実施する介護予防事業も行っている。
一、施設の整備拡充
佐礼谷診療所
平成一四年度において、患者数の増加と高齢化に伴い、現有施設が手狭なため、事務長室・カメラ室の増築(五〇・〇二平方メートル)工事と既設の待合室の改修、高齢者対応の自動ドアの設置、段差解消等の
改修工事を行い、より一層地域に密着した医療サービスに努めている。
中山歯科診療所は中山町誌参照
歯科保健センター
平成一三年度、国民健康保険事業の助成を受けて、歯科診療所内に設置された。平成一四年度から従来の歯科保健事業に加えて、新たに学校巡回個別歯科保健指導、および六歳臼歯と一二歳臼歯へのシーラント事業を開始した。フッ素洗口事業との連携により、平成三年度一二歳児の一人永久歯虫歯数四・七本が同一五年度は〇・二本と約二〇分の一に激減、これまでの永久歯虫歯予防事業の成果を見ることができた。
また集落巡回検診結果報告会において成人口腔保健相談・指導を取り入れ、生きがいデイサービス利用の高齢者に個別口腔保健指導と介護予防口腔ケア教室を開催し、高齢者の低栄養予防、転倒骨折予防・気道感染予防に一役買っている。
さらに、八〇歳以上の高齢者に対しアンケート調査および訪問口腔調査を行い、八〇歳で二〇本以上の歯を保持する8020(はちまるにいまる)達成者のうち優秀者を表彰した。
歯科保健センター事業によって、住民の歯科衛生に対する意識を高め、一生涯をとおして歯の健康を保てることにより、住民がより健康で、より質の高い生活をおくることができると考えられ、今後も継続していくことが望まれる。
二、保健活動
(一) 老人保健事業
・平成 九年 従来からおこなっていたリハビリ教室、なかやま幸梅園でも実施
・平成一〇年 がん検診が老人保健事業から一般財源化
・平成一一年 肺のCT・CR検診を導入、早期肺がんの発見に寄与
・平成一三年 前立腺がん検診の導入、早期がんの発見に効果
ミニデイサービス
平成五年より、寝たきり予防の一環として、地区集会所にて、地区のボランティアの協力を得て、ミニデイサービスを開始。永木・小池・大
矢・村中・坪之内の五地区から保健婦が中心になって実施する。
平成一二年度より社会福祉協議会の事業となり、同一六年には一三地区(永木・柚之木・福元・泉町一・長沢・栗田三・大矢・影之浦・下野中・村中・坪之内・影浦・安別当)で継続している。
(二) 健康づくり 中山町誌参照
(三) 精神保健
・平成二年九月二〇日、ほほえみ会(中山町地域精神障害者家族会)が結成された。会員一四名
・平成四年四月一三日、くりのみ共同作業所(精神障害者小規模作業所)が保健センター内に開設される。メンバー七名・指導員一名・補助指導員一名(家族)平成九年なかやま幸梅園の開設により、E型デイサービスの移転に伴い、デイサービスセンター跡地(東町NTT事務所跡)に移る。メンバー一〇名・指導員二名・補助指導員一名体制となる。
・平成九年、精神福祉ボランティア「くりのはな」発足。
・平成八年度より愛媛大学の協力を得て高齢者健康調査(痴呆スクリーニング)の開始、痴呆症対策に役立てる。
中山町の痴呆症対策
(四) 母子保健
平成九年二月母子保健計画を策定する。これまでの事業に加えて、思春期における体験学習、学童および幼児の料理教室、二歳児健診の追加、巡回療育相談事業、予防接種の自己負担金の無料化などを行う。
平成一四年五月新母子保健計画の策定、すべての子どもが安心して、心身ともに健やかに成長できることをめざした。
また乳幼児からのフッ素洗口も効果を上げている。
(五)~(六) 中山町誌参照
三、疾 病 中山町誌参照
表5-3 佐礼谷診療所利用状況 |
表5-4 佐礼谷診療所勤務医師 |
12歳児の永久歯の平均虫歯数の推移 |
中山町の痴呆症対策 ①取り組みの経過 |
中山町の痴呆症対策 ②高齢者調査の概要 |
国保疾病分類 |
中山町の主要死因刑死亡数(率)の年次推移 |