データベース『えひめの記憶』
久万町誌
5 組合の事業
現行の組合規約によれば、本組合の事業として、存在意義ともいうべき次の三項目が挙げられている。
一、天災地変のため災害にかかり又は生計困難なる者を救済すること。
二、学資の供給に乏しくその素志を達成することかできないものに学資を貸与すること。
三、その他公益上必要なる事項でこの組合会議の決議を経たもの。
表現がどのように改められたとしても本組合は発足以来、右の項目について貢献している。
イ、窮民の救助
窮民の救助に関しては同組合管理規則の詳細なものか制定され多数の救助実績をあげている。
ロ、学資の貸与
明治の文運の興隆にともない、郷土人材養成を目的として、向学心ある有為の青年に学資の貸与をすることを、事業の一つに加えた。これも学資貸与の規定の運用により多数の人材を出している。
なお育英事業としては次の二種類がある。
上浮穴郡教育義会
1 各町村か平等に負担して地元出身の教青者養成の目的から大学の教育学部を志す者に対して学資貸与をするものである。その他に上浮穴教育義会は松山市に石鉄寮を経常し、本部出身学生のために通学の便を計っていた。
2 本組合の学資貸与
右義会関係を除き他の学部進学者を対象とするもの、すなわち高等学校を卒業し新制大学の教育学部以外の学部進学者を対象としたもの。
ハ、公益事業
第三項の趣旨に基づき、地方産業・経済・文化の振興に寄与する事業には積極的な協力と援助をつづけている。
郡中心の諸官衛諸施設の敷地購入、建築費等多額の支出をみる。
地方負担金として個人に課せられたるものをこの組合が肩代わりしているものが多い。このことは歴代町村長の負担を軽減し、上浮穴の発展を促進させ、しらずしらずの中に莫人な恩恵をうけているわけで、今後も良く関係町村民を公共的な経済負担から護ってくれるはずである。