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ふるさとおもしろ講座-四国遍路-
「四国遍路のあゆみ」

第1章 四国遍路の成立と展開

 この章では、古代から中世に至る遍路前史ともいえる時代に、四国遍路がどのようにしておこったかを探るとともに、近世(江戸前期)に、四国遍路が次第にその形を整え、巡礼者が一部の宗教者たちから一般庶民へと拡大していく過程を明らかにし、近世以前の四国遍路の状況について学術整理を試みる。

第1節 四国八十八ヶ所のおこり
 日本を代表する巡礼である四国遍路は、弘法大師空海が修行したという八十八のゆかりの地を巡るものである。しかし史実の上から見ると、数か所(寺)を除いて空海とのつながりははっきりしない。四国遍路を空海が開創したという縁起は、歴史的には容認しがたいというのが今日の定説となっている。しかし、それにもかかわらず今日でも多くの巡礼者が空海を慕って四国を巡っているし、また空海をめぐる伝説や奇蹟・霊験は四国遍路の随所に充ち溢れている。このことは何を意味するのか。また何に起因するのか。四国遍路という巡礼を理解することは容易なことではない。
 この節では、四国八十八ヶ所の起源をどこに求めることができるのか、さらには四国霊場八十八ヶ所はいつごろから成立したのかなど、四国八十八ヶ所のおこりにかかわる諸問題を取り上げ、学術整理を試みたい。

第2節 四国遍路の盛行
 四国遍路は、室町時代末期に成立したと考えられているが、江戸時代の中ごろから、従来から宗教者の修行として専ら行われていた遍路に加えて一般庶民の遍路が発生し、次第に隆盛に向かっていった。そうした発展の中において、今日にも見る遍路特有のさまざまな性格が生じることとなった。
 この節では、日本の巡礼のうち、特有の性格を持つという四国遍路について、江戸時代における歴史的発展の経緯について学術整理を行い、現在ますます盛行する四国遍路の基点ともなった近世の遍路史を概観する。

第2章 四国遍路の変容と発展

 この章では、明治時代から現代に至る四国遍路の変容と発展について整理する。明治維新以来、近代化の進展とともに四国遍路もその姿を徐々に変貌させていった。その歴史的過程を解明するとともに、現代の遍路の状況について探り、その諸相を明らかにしたい。

第1節 近代の四国遍路
 四国遍路は、明治に入ると廃仏毀釈の運動や地方行政当局の排斥政策などのために一時的に停滞するものの、その後すぐに盛り返し、明治中期以降には再び盛行の時期を迎えた。近代化・大衆化が進展する社会の影響を大きく受けつつ、病気平癒の切なる願いを込めた遍路や成人の通過儀礼としての遍路など、様々な形態の遍路が盛んに四国を往来したのである。しかしそれも、昭和の戦時体制下には、食糧難などのために一時途切れかけることになる。
 この節では、明治時代から太平洋戦争終結までの四国遍路の歴史的変遷について整理を行い、あわせて、当時遍路に出た人々の思いを探り、その姿を浮かびあがらせていきたい。

第2節 現代の四国遍路
 この節では太平洋戦争後から現在まで、多様な姿に変貌してきた現代の四国遍路のありさまを、遍路する人々とそれを支える組織や札所などの側面から探り明らかにする。またアンケート調査や諸調査を踏まえて、遍路の実態や心情を探り、今日の遍路の諸相を明らかにする。

第3章 歴史の中の遍路びと

 遍路の歴史をたどっていると、さまざまな遍路人に出会う。修行僧をはじめ、四国霊場を何度も巡った人、遍路の回数は少なくても日記や紀行文などを残した人々である。本章では、そうした人たちを取り上げ、遍路とのかかわりや遍路行の様子などを整理した。

第1節 四国遍路の行者たち
 この節では、四国案内記の刊行、道標石や遍路屋の設置などの作善行にも取り組んだ遍路びとに焦点を当て、その生涯や業績を整理してみたい。真念と仏海は僧侶として遍路にかかわり、武田徳右衛門と中務茂兵衛は僧侶ではなく、一庶民として遍路の世界に踏み込んだ者である。最後に行者というべきかどうかはともかくとして、何十度も四国霊場巡拝をした者たちがいる。それを多数度巡拝者の記録として紹介しておきたい。

第2節 さまざまな遍路びと
 この節では、四国遍路にかかわったさまざまな遍路びとの足跡を探り、その整理を行った。
 とりわけ、これらの人々が、どのような状況で遍路にかかわり、遍路にどのような思いを抱いたか、また、その直接・間接の遍路行の様子や遍路と人生とのかかわりなどを、これらの人々の残した著作物などを足掛かりに明らかにし、遍路びとの思いを探った。文人としては、俳人大淀三千風滑稽本作家十返舎一九、自由律俳人種田山頭火を、著名人として日本女性史研究家高群逸枝、女医小川正子、政治家池田勇人、歌舞伎役者市川団蔵を取り上げた。

四国遍路のあゆみ(平成12年度 遍路文化の学術整理報告書)

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