データベース『えひめの記憶』
瀬戸内の島々の生活文化(平成3年度)
(2)船の構造と製作工程①
ア 機帆船(西洋型船)
宮窪町余所国(よそくに)の**さんは(3)で後述するが、機帆船形式の船を多く建造してこられた。最後の木造船として製作された**さんの蛭子(えびす)丸を、記念のために工程の一部始終を搬影された。その写真をもとに、機帆船(西洋形船)の製作工程についてまとめた。製作時期は昭和50年の6月中旬から9月初めの約3か月である。
① キール(船底材)の固定
イギリス(万力(まんりき)のこと)で木を締めておいて、四角い穴を掘り、キリで通し穴を開けて、鉄のボルトを打ち
込みナットで固定する。穴には後で木を埋めて、水が入らないようにする。
② ミヨシ(船首材)をたてる
キールにミヨシをとりつけ、マワリカタ、船首の周りのスマント(肋骨)を先につける。
③ スマント(肋骨)をとりつける。
④ 船首と船尾の隔壁をつける。(船尾隔壁は用心板ともいう)
⑤ 仮つなぎをつけてフレーム(肋骨)を揃える。
⑥ スマントに流通材(内張り)をつける。
キールの固定のしかた |
写真3-5-1 キール |
キール、ミヨシ、マワリカタ 仮に止めるもので固定できるとはずす。 |
写真3-5-2 船首のミヨシと肋骨 |
写真3-5-3 船尾の肋骨 |
写真3-5-4 隔壁の取付け |
写真3-5-5 船首からの外観 |
写真3-5-6 船尾からの外観 |
スマントに流通材(内張り)をつける |