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瀬戸内の島々の生活文化(平成3年度)

(4)原八幡大(はらはちまんだい)神社社叢(越智郡吉海町仁江原)

 国道317号線を吉海町から宮窪町に向かうと、国道に面して左側にひときわ目立つ照葉樹の林が原八幡大神社社叢である。この森にある神社は、天福元年(1233年)に村上亀千代丸頼員(よりかず)が豊前国宇佐八幡宮を原山の大杉の下に勧請、建立したことに始まる。
 高木層は、胸高直径50cm以上のツブラジイが優占し、モチノキ・モッコク・ヤマモモ・ウバメガシ・アカガシなどが混生している。亜高木層以下には、モチノキ・モッコクが優占し、アラカシ・クロガネモチ・ヤマモモ・ヒサカキ・ヤブツバキ・サカ牛・ツブラジイなどの常緑樹が混生している。ツブラジイは各層に出現するが、直径20cm程度の小径の萌芽本もかなり多い。林内にアカマツの大木が枯死し切り倒されており、コバノミツバツツジ・ネジキ・コシダ・ヤマザクラなどのアカマツ二次林の要素も比較的多く混生している。林床にはコシダとヒトツバが優占している。アカガシは一般には高海抜地に多く、島しょ部では非常にめずらしい。

写真2-1-6 原八幡大神社

写真2-1-6 原八幡大神社

平成2年12月撮影