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四国遍路のあゆみ(平成12年度)

第1節 近代の四国遍路

 四国遍路は、明治に入ると廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の運動や地方行政当局の排斥政策などのために一時的に停滞するものの、その後すぐに盛り返し、明治中期以降には再び盛行の時期を迎えた。近代化・大衆化が進展する社会の影響を大きく受けつつ、病気平癒の切なる願いを込めた遍路や成人の通過儀礼としての遍路など、様々な形態の遍路が盛んに四国を往来したのである。しかしそれも、昭和の戦時体制下には、食糧難などのため一時途切れかけることになる。
 本節では、明治時代から太平洋戦争終結までの四国遍路の歴史的変遷について整理を行い、あわせて、当時遍路に出た人々の思いを探り、その姿を浮かびあがらせていきたい。