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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業16ー四国中央市②ー(令和元年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第2節 駅前通り商店街の町並み

 旧伊予三島(いよみしま)市は、愛媛県の東部の宇摩平野の中央に位置し、東は旧川之江(かわのえ)市及び旧宇摩郡新宮(しんぐう)村、西は旧宇摩郡土居(どい)町及び別子山(べっしやま)村と接している。また、北は瀬戸内海の燧灘に面し、南は険しい四国山地を境として高知県と接している。
 明治22年(1889年)の町村制の実施により、三島村、中曽根(なかぞね)村、中之庄(なかのしょう)村、松柏(しょうはく)村、寒川(さんがわ)村、豊岡(とよおか)村、富郷(とみさと)村、金砂(きんしゃ)村の8か村に統合された。明治31年(1898年)、三島村は町制を施行して三島町となり、昭和19年(1944年)には、三島町、松柏村、中曽根村、中之庄村が合併し三島町となった。昭和25年(1950年)、旧松柏村の地域が三島町から分村したが、同29年(1954年)、町村合併促進法により三島町、寒川町(昭和27年〔1952年〕に町制を施行)、松柏村、豊岡村、富郷村、金砂村の2町4村が合併し、市制を施行して伊予三島市が成立した。
 旧伊予三島市の商業地域は、伊予三島駅前から三島港にかけての新町、本町、中通り、駅前通りの各商店街などが中心であった。三島神社の門前町に起源する本町商店街は、明治期に官公署をはじめ各種商店、旅館が集まり、この地域の中心商店街になった。大正6年(1917年)、伊予三島駅の開設後は、本町と駅を結ぶ中央通り、新町、駅前通りの各商店街が発展したが、その後、国鉄の利用者減や大型店の進出などによって商店街の衰退が始まった。近年は、高速自動車道インターチェンジに近い国道 11 号川之江三島バイパス、県道三島川之江港線付近に大型小売店等の集積が急速に進む一方、駅前通り商店街を含む既存商店街では空洞化が進行している。
 本節では、昭和20年代から40年代を中心とする駅前通り商店街の様子や、地域でのくらしについて、Aさん(昭和22年生まれ)、Bさん(昭和28年生まれ)から、それぞれ話を聞いた。