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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業19ー大洲市①―(令和2年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第1章 昭和の町並みをたどる

 大洲(おおず)市は平成17年(2005年)、旧大洲市と長浜(ながはま)町、肱川(ひじかわ)町、河辺(かわべ)村が合併して誕生した。県西部に位置し、東は伊予(いよ)市、内子(うちこ)町、南は西予(せいよ)市、西は八幡浜(やわたはま)市と接し、北は瀬戸内海の伊予灘に面している。
 市の中央を流れる肱川は毎年のように氾濫を繰り返したが、そのたびに大洲盆地に肥沃な土砂を堆積し、豊かな農地を形成してきた。また、盆地を取り巻く山々と、肱川の清流の美しさから「伊予の小京都」と呼ばれ、観光都市としても発展してきた。
 古くは肱川の水運も盛んに利用されてきたが、近年では市の中心部で交差する国道56号、197号をはじめとする道路の改良整備や平成12年(2000年)に開通した四国縦貫自動車道の整備により道路交通も発達し、南予北部の商業経済の中心地となっている。
 本章では、新谷藩の陣屋町として古くからの町並みを残す旧大洲市の新谷地区、肱川の水運の拠点の一つであった旧長浜町の白滝地区をそれぞれ取り上げ、昭和の町並みと人々のくらしについてまとめるとともに、町並みを復元し、当時のくらしの一端を明らかにした。