データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

えひめ、人とモノの流れ(平成19年度)

2 峠からトンネルへ、鉄道・船からトラックへ

 峠から見る素晴らしい眺望は旅情を誘うが、一面では高低差の激しい地形は、陸上交通の大きな妨げとなる。県内には峠が多く、主要国道沿いの名の知れた峠だけでも、国道56号沿いでは、法華津(ほけつ)峠(宇和島-吉田間)、鳥坂(とさか)峠(宇和-大洲間)、犬寄(いぬよせ)峠(内子-松山間)があり、国道197号では夜昼(よるひる)峠(八幡浜-大洲間)がある。国道33号では三坂(みさか)峠(砥部-久万間)が有名で、国道11号では桜三里(さくらさんり)(松山-西条間)がある。
 昭和40年代後半に全国的にモータリゼーションが進む中、愛媛県は自動車交通の面で立ち遅れていた。これらの峠道の改修・トンネル掘削が困難だったからである。ここでは、松山市から高知県四万十市中村を結ぶ国道56号に焦点をしぼり、その交通量の変遷を探るとともに、昭和40年代までの旧道と峠を、現在の写真・地図と比較してみることで、道路交通の変遷を探った。また各種統計により、そのような交通の発達が、交通機関の利用にどのような変化をもたらしたかを探った。