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えひめ、女性の生活誌(平成20年度)

2 女性の一生

 戦前は早婚・多産であったため、女性は早く結婚し子どもを多くもうけた。その結果、出産・育児にかかわる期間は現在よりかなり長くなり、女性にかかる負担もかなり大きかった。
 戦後の著しい社会変化は、女性の一生にも大きな影響を及ぼした。明治生まれと戦後生まれの女性を比較すると、平均寿命は18.3歳も伸び、末子結婚時には亡くなっていたのが末子結婚後25.9年も生きられるようになった。結婚年齢は2歳余り晩婚化しているが、少子化の影響で長子から末子までの出産期間は12.5年から2.3年と激減し、育児期間も19.0年から8.8年とほぼ半減した。
 家庭における女性の負担は、出産の負担も子育ての負担も50年余りの間に大幅に軽くなったのである。明治生まれの女性は結婚後子どもの独立まででライフサイクルが終了していたが、戦後生まれの女性は子ども独立後の期間が大幅に増加している。この期間をどう過ごすかが現代の女性にとって大きな問題となってきている。
 女性の就業率の変化(図表1-2-2参照)をみると、昭和25年(1950年)当時は15~19歳の女性の54.8%の人が働いていたが、同50年には22%に低下している。進学率の上昇により、10代の就業率が大幅に減少したのである(昭和30年に52%だった高校進学率は、昭和50年には92%となる。)。また、かつては中学校を卒業すると結婚までの一時期働き、結婚・出産を機に退職し育児に専念する女性が多かったが、家電品等の普及による家事労働の軽減、少子化、就業意識の変化等により、育児が一段落した40歳代から50歳代の女性の就業率が高くなってきている。


図表1-2-2 女性の就業率の変化

図表1-2-2 女性の就業率の変化

昭和51年版厚生白書(⑧)、平成17年国勢調査結果から作成。