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宇和海と生活文化(平成4年度)

2 西日本有数の水産基地

 八幡浜港は、トロール漁業(沖合底引き)の基地として、第3種漁港(県外漁船が水揚げできる漁港で、県内では御荘町中浦、城辺町深浦を含め3港のみ)として、漁港別の水揚量・価格は西日本有数を誇る、宇和海の水産基地となっている(平成2年の生鮮品属地水揚量28,573tであり、瀬戸内海・宇和海沿岸の漁港では圧倒的な第1位である。ちなみに他県では、土佐清水港は8,291t、焼津港は38,060t(⑥))。
 図表2-3-8は、県内の水産物卸売市場の総取扱量を比較したものであるが、八幡浜が圧倒的な数値を誇っている。八幡浜市水産物卸売市場は、漁獲物が高値安定で確実にさばける市場として、県外漁業者にも高い評価を受けているとのことであり、宇和海漁業者の水揚げが八幡浜に集中していることがわかる。八幡浜市の漁業経営体数は266で、県全体の(経営体数8,851に対して)3%(⑦)に過ぎないことを考えると、後述のトロール漁業や八幡浜地区外の外来漁船の水揚げの占める比率が大きいと考えられる。
 このように、八幡浜が宇和海及び県内の水産業の一大中心基地として発展してきた理由・背景を以下考えてみたい。

図表2-3-8 県内水産物卸売市場の総取扱量比較(昭和63年度)

図表2-3-8 県内水産物卸売市場の総取扱量比較(昭和63年度)

県水産局漁政課資料の数値にもとづき作成。