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わがふるさとと愛媛学   ~平成5年度 愛媛学セミナー集録~

2 語り継ぎたい肱川のくらし

 年配の人に、子供時代で一番楽しかったかことはとたずねると、異口同音に、「そりゃ肱川よ。泳いだり、魚とりしたり、流れてくる筏に乗せてもらって、かなり川下でおりて、やけた川原をはだしで歩いたり、肱川をぞぶって帰ったりした。あの楽しさを今の子供にさせたいなあ。」と言う。魚はどこからかわいてくるものと思っていたほど多かった。皆で泳げる水のきれいな肱川を、年長の子がひきつれて泳ぎにいった子供の世界を、老いてもよき思い出となった心のふるさと肱川を、子供に残したい。私たちにはその義務がある。行政の積極的な力がほしい。とりあえずやれることは、小川の底を砂利にすれば小魚もすむだろう。肱川の川底は目つまりしているという。
 川底を掘ると鮎などが寄ってくるということは、その証拠であろう。どのようにしたらいい「ふるさと」になしうるか、意識の高まりこそ世の中を変えていくのではないか。