データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

わがふるさとと愛媛学   ~平成5年度 愛媛学セミナー集録~

2 体験学習と歴史のロマン~郷土クラブの活動の思い出から~

 新採教員としてこの御荘に赴任し、郷土クラブを作った。平城貝塚のことを教えると、子供はすぐ興味を持ち、「鍬持って掘ろう。」と言うので、貴重な文化財だからと慌てて説明する一幕もあった。そこから発展して深泥遺跡等の町内各地の遺跡も回った。
 このような実体験に関することは、子供たちの方がよく知っていて、雨上がりの日に行こうやと誘われた。雨上がりで土が崩れると、黒曜石のやじりが露出して、きらきら光っているのである。
 九州の姫島の黒曜石は、だれがどうやって、どんな船で運ぶのかと問うと、子供たちは、その想像力をかきたてて大変な興味を持ち、次から次に高度な質問を浴びせかけてきて、慌ててこちらが勉強をしなおすこともあった。子供たちの歴史のロマンに憧れる気持ちと好奇心は我々大人以上に強い。
 その郷土クラブで、一年かけて南宇和郡の立体模型を製作したが、平塚貝塚のころの御荘湾の立体模型地図が作れればと、現在考えている。