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わがふるさとと愛媛学Ⅴ ~平成9年度 愛媛学セミナー集録~

◇義太夫節(ぎだゆうぶし)の現状

 ついせんだって、東京の松竹会館の中にあります日本義太夫協会からアンケート調査の依頼がきました。どういう内容かと言いますと、現在、全国で歌舞伎の地芝居が130か所以上、人形浄瑠璃が100か所以上復活されているそうですが、浄瑠璃と三味線がどうにもならない状態で、これをなんとかしないと完全な復活はありえないということで、浄瑠璃と三味線の実情を調べるためのもののようです。
 鬼北文楽は、お見かけの通りまことに芸は未熟ですが、浄瑠璃・三味線・人形ができるということでは、全国的にも一応評価ができると思います。これも会員の努力の結果と感謝をしております。今のところ自前で上演できるのは「傾城阿波の鳴門」だけなのですが、一つができるということは他の外題(げだい)も可能ということで、今後期待できると思います。
 次に、現在愛媛県には五つの文楽があります。中予に一つ、松山市の伊予源之丞。あとは全部南予で、三瓶(みかめ)町の朝日文楽、肱川(ひじかわ)町の大谷文楽、明浜(あけはま)町の俵津文楽、それから鬼北文楽です。
 愛媛県の文楽合同公演が始まって以来、来年(平成10年)で40周年ということで、記念大会の企画が持ち上がっております。鬼北文楽は、途中休んでいまして、平成元年からの参加になります。