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えひめ、昭和の街かど-生活を支えたあの店、あの仕事-(平成21年度)

本書のねらい・凡例

1 目 的
  この調査研究は、永い伝統を引き継いで、激動の昭和を生き抜いてきた人々のくらしに焦点を当て、そのくらしに学ぶとと
 もに、ふるさと愛媛の優れた地域資源を掘り起こし、今後の愛媛の歩むべき方向を探ろうとするものである。また、県民だれ
 でも参画でき、しかも人文・社会・自然の各分野が協力して総合的・学際的な調査研究を行う「えひめ地域学」の構築も併せ
 て目的としている。
  さらに、その成果は、県内各地で行われている生涯学習において広く活用するとともに、「えひめ地域学」の普及・啓発に
 資するものである。

2 本年度のテーマ
  「えひめ、昭和の街かど-生活を支えたあの店、あの仕事-」

3 テーマ設定の理由
  スーパーマーケットやコンビニのない時代、人々の周りには生活を支えた様々な店や仕事・施設、例えばよろず屋や鍛冶
 屋、行商などが存在し、地域の人々の生活に密着し、なくてはならない地域共同体の一部を構成していた。そこで、こうした
 店や仕事・施設とそれにかかわった人々の生活誌をたどり、地域社会や地域文化を見直すことで、ふるさと愛媛の生活や文化
 の特質を明らかにし、生涯学習の一環としてより多くの県民に、また後世に伝えるとともに、新しい愛媛の地域社会の創造を
 図るために選定した。 

4 調査対象地域
  東・中・南予のバランスを考慮しながらテーマに適した調査先を選定した結果、調査に関係する地域は以下の11市町と
 なった。
    【関係市町】
      新居浜市、今治市、松山市、東温市、砥部町、伊予市、大洲市、八幡浜市、西予市、宇和島市、愛南町

5 調査研究の視点と特徴
(1)時代的には昭和が中心で、当時を生きた人々のくらしに学ぶという視点から調査した。
(2)現地調査を重視し、生活者の生の声を大切にし、既存の資料に依存することなく、できるかぎりオリジナルな資料をもと
  にまとめることを主眼とした。
(3)既存の学問(歴史学、地理学、民俗学等)の調査方法にとらわれないで、より総合的・学際的に調査しようと試みた。
(4) 生涯学習の一環として、県民の皆さんにふるさとの地域調査に気軽に参加していただくために、「聞き取り-語り」を
  重視してまとめた。
(5)テーマを「昭和の街かど」としているが、狭義の商業地や市街地にとどまらず、その背後の地域まで視野に入れ、地域社
  会の中のくらしや文化を取り上げた。

6 調査研究方法
(1)文献調査に偏らず、聞き取り調査や実踏調査など現地調査を重視した。
(2)自然科学・人文科学・社会科学等の枠を越えて、学際的なアプローチをした。
(3)学識経験者のみならず、実際に地元で生活を営んでいる方々の協力を重視した。

7 協力者
  今年度の調査には、聞き取り調査や実踏調査に約100人の方々にご協力いただいた。


【凡 例】
 ① 本書は、平成21年5月から12月にかけて実施した現地調査を中心にまとめたものである。
 ② 本文については、常用漢字や現代仮名遣い、新送り仮名の使用を原則としたが、歴史用語・専門用語等については例外と
  した。
 ③ 引用文は原則として原文のまま記載したが、必要に応じ振り仮名を付け、仮名遣いや誤記などを訂正し、(  )書きで
  説明を加えた箇所がある。
 ④ 本文中の年代表示は、和暦に(  )書きで西暦を示した。
 ⑤ 本文中の生物名及び民俗学用語は、原則としてカタカナで表示した。
 ⑥ 本文中の単位は、℃、%、kg等で表示した。なお、尺貫法に基づく記述の場合は、メートル法による換算値を併記して
  いる。
 ⑦ 地名は原則として、その当時の用例に従ったが、必要に応じ現在の地名を示した。
 ⑧ 参考文献等は、各章末にまとめて記載した。
 ⑨ 市町名は原則として、平成21年3月末現在における市町名とした。