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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業Ⅰ-伊予市-(平成23年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第1節 三島陶磁器と人々のくらし

 市場(いちば)村に端を発した伊予市の陶磁器生産は、明治時代になって三島町に舞台を移し、以後砥部(とべ)焼とともに飛躍的な発展を遂(と)げる。大正時代になり、近代的な工場も建設された。その後は次第に衰退していくものの、かつての三島町を中心に展開する窯業(ようぎょう)は人々を活気づけ、町は人と物資であふれていた。その名残(なごり)は、今なお三島町周辺に見出すことができる。
 本節では、三島町で窯業がおこり定着していった立地や陶磁器生産のあゆみについて、実際に焼かれた焼き物、統計、過去の聞き取り調査などの資料をもとに記述する。また、かつての陶磁器生産の様子について、新たな聞き取り調査も行った。