データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

県境山間部の生活文化(平成5年度)

はじめに

 本書は、平成5年度の地域文化調査研究活動の結果をとりまとめたものです。
 テーマは「県境山間部の生活文化」とし、昭和を生き抜いてきた人々のくらし-生活文化-に焦点を当てて調査したものであり、これまでに実施した「瀬戸内の島々の生活文化」と「宇和海と生活文化」に続く3冊目の報告書です。
 今回調査対象とした県境山間部は、豊かな山河に恵まれたすばらしい自然環境のもと、山々に囲まれながらも、峠を越えて他地域との積極的な交流が行われ、特色ある伝統文化がはぐくまれ、村落共同体の固いきずなの中で人情味豊かな人々が生活しているところです。このような地域で、黙々と努力してこられた方々の生活文化に学ぶとともに、優れた地域資源を掘り起こすことによって、愛媛の良さを再確認しようとしました。
 さらに、本県においては、生活優先・文化重視の基本理念のもと生活文化県政を強力に推進しており、その重要施策の一つとして、生涯学習県の実現を目指しています。この生涯学習の一環として、県民の皆さんがふるさと愛媛の地域調査に進んで取り組んでいただくため、基本的な調査方法である聞き取りや実踏などの現地調査に重点をおいて実施し、調査方法の確立に努めました。
 幅広く、しかも学際的に取り扱ったので、統一性や掘り下げが十分でない点もありますが、この地域のすばらしさと人々のくらしの重みの一端でも感じていただき、各地域のアイデンティティ確立の一助となれば幸いです。
 終わりに、御協力いただいた多くの方々に改めて厚くお礼を申し上げます。

  平成6年3月

                     愛媛県生涯学習センター