データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

河川流域の生活文化(平成6年度)

第3節 河原に集う

 県下には、肱川、重信川、加茂川等に見られる広い河原もあれば、小さな州(す)のような河原もある。しかし、いずれも昔から人々の生活の場あるいは憩いの場として利用され、子供たちにとっては楽しい遊び場でもあった。また、広い河原では大勢の人々が集まる行事も行われた。河原は言わば公共の広場としての性格を持っていたと言えよう。本節では、各地の河原とかかわりのある伝統的な行事のうち、「1 河原に舞う凧」では豊秋河原の凧(たこ)合戦(喜多郡五十崎町)、「2 子供たちの盆」では子供の行事である盆飯(大洲市)と百八灯(温泉郡川内町)、「3 秋のいもたき」では秋の河原の風物詩いもたき(大洲市及び西条市、北宇和郡広見町)、「4 夏越と秋祭り」では河原で行われる夏越(なごし)と宮入りで最高潮に達する秋祭り(西条市)を取り上げた。行事によっては、その起源に及んだり、民俗的見地から考察したり、また、関連事項に触れるなど、多少取り扱いに相違はあるが、いずれの項においても、ねらいは、伝統的行事を体験した人々やそれらを支えている人々の語りを通して、愛媛の豊かな生活文化の一端を明らかにすることにある。