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河川流域の生活文化(平成6年度)

(3)老後のくらし、家族制度

 老後の生活を中心に家族制度について、「将来不安に感じること」及び「高齢者世代と若い世代の同居」にかんしての4項目の質問の分布状況(%)をもとに、その意識を探ってみた。
 図表2-2-18から「将来不安に感じること」については、これまでの「山間」「宇和海」「瀬戸内」の調査と、ほぼ同じような分布にあることがわかる。特に、昨年度までの調査が高齢化の進んだ過疎地が多かったのに対し、今回は都市部を多く含んでいながらも、「高齢者世代の健康問題」が55.8%を占め、やはり最上位となった。年齢層別に見ても、20~65歳の層にその不安が高く、むしろ65歳以上の層が低い(図表2-2-19参照)。また、65歳以上の高年齢者ほど「特になし」が多かったことも注目される。市町村別には大きな差は見られない。
 高齢者の親と子の関係についても、河川流域の人々の意識は、これまでの調査とほとんど変わらず、「同居するのが良い」「親の体が弱ったら同居するのが良い」を合わせると85%を占める(図表2-2-20参照)。また、実際の同居率を見ると、これまでの調査の中では最も高く、55.2%を占める(図表2-2-21参照)。同居の形態について興味深いのは、「山間」では「二世帯住宅」が22%と「宇和海」「瀬戸内」の倍以上の数値を示す点である(図表2-2-22参照)。これは昨年度報告書の第1部にも記載のあった、「部屋」制度(二世帯に分かれる隠居制度)によるものではないかと思われる。今回の調査でも、大洲・長浜を除く肱川流或の山間部では、「二世帯住宅」が10~20%を占め、県内の他の河川流域の5~10%と比べ高率であった(市町村別のグラフはスペースの関係上掲載せず)。

図表2-2-18 将来不安を感じること(地域別)

図表2-2-18 将来不安を感じること(地域別)


図表2-2-19 将来不安を感じること(年齢層別)

図表2-2-19 将来不安を感じること(年齢層別)


図表2-2-20 同居の考え方(地域別)

図表2-2-20 同居の考え方(地域別)


図表2-2-21 現在同居しているか(地域別)

図表2-2-21 現在同居しているか(地域別)


図表2-2-22 同居の形態(地域別)

図表2-2-22 同居の形態(地域別)