海は、ふるさとの海は言うに及ばず、見知らぬ土地の海でさえ心のやすらぎを覚える。まことに不思議なまでの海の魔力である。生きとし生けるものの、生命の起源が海にあることのあかしであろうか。 この節では、「1 足もとの自然」で、高縄半島の臨海地域でくらす人々の、天然記念物の保護に取り組む姿から自然と人間の共存を探り、「2 森は海の恋人」では、漁業をなりわいとする人々の中にも芽生えつつある森の育成に焦点を当て、海と山とのきずなに迫りたい。