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臨海都市圏の生活文化(平成7年度)

3 製錬所の島

 燧灘(ひうちなだ)の中西部、新居浜市と今治市からほぼ等距離の海上に浮かぶ四阪島(しさかじま)は、越智郡宮窪町に属し、美濃島(みのしま)・家ノ島(えのしま)・明神島(みょうじんじま)・鼠島(ねずみしま)の4島(梶島(かじじま)を含めることもある。)からなる。新居浜の製錬所の煙害対策に苦慮していた住友は、明治28年(1895年)これらの無人島を買収し、製錬所を移転し、同38年操業を開始した(口絵参照)。以来、四阪島は製錬所の島として、工都新居浜を支えて繁栄してきたが、昭和46年(1971年)新時代の銅需要に対応すべく建設した東予工場(写真2-2-11参照)の稼働(かどう)とともに縮小され、同51年(1976年)銅精鉱による製錬を停止した(銅故滓(こさい)処理はその後も続けられ、銅製錬が完全に停止するのは昭和53年である。)。一時は4,000人をこえた島の人口も、昭和30年代後半からは減少傾向に転じ、製錬所の縮小とともにほとんどが離島した。現在は酸化亜鉛(あえん)製造を行っているが、通勤体制が整い、昭和62年以降定住者はいない。