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愛媛の景観(平成8年度)

本書のねらい・凡例

1 日 的
  この調査研究は、永い伝統を引き継いで、激動の昭和を生き抜いてきた人々のくらし-生活文化-に焦点を当て、そのくら
 しに学ぶとともに、ふるさと愛媛の優れた地域資源を掘り起こし、今後の愛媛の歩むべき方向を探ろうとするものである。ま
 た、県民誰でも参画でき、しかも人文・社会・自然の各分野が協力して総合的・学際的な調査研究を行う愛媛学の構築も併せ
 て目的としている。さらに、その成果は、県下各地で行われている生涯学習において広く活用すると共に、愛媛学の普及・啓
 発に資するものである。

2 本年度のテーマ
  「愛媛の景観」

3 テーマ設定の理由
  生活の舞台としての地域景観が変ぼうしていく中で、永年にわたって地域のシンボルとして守られてきた県内各地の自然景
 観や歴史景観を取り上げて、それと深くかかわりあいながら地域景観を支えてきた人々のくらしぶりを通して、アメニティ豊
 かな地域の創造を考えるために選定した。

4 調査対象地域
  愛媛県には、各地に本県を代表する景観がみられるが、それらをすべて網羅することは、かえって本調査のねらいを散漫に
 するおそれがあるので、県内の主な自然景観・歴史景観の中から東・中・南予、沿岸部・山間部等のバランスを考慮して、
 34の市町村を調査対象地域とした。
   【関係市町村】
     川之江市、新居浜市、西条市、今治市、東予市、小松町、丹原町、吉海町、宮窪町、関前村、松山市、北条市、
     重信町、川内町、久万町、面河村、美川村、柳谷村、小田町、砥部町、宇和島市、八幡浜市、大洲市、内子町、
     保内町、三崎町、宇和町、野村町、三間町、広見町、松野町、津島町、内海村、西海町

5 調査研究の視点と特徴
  今回の調査の視点と特徴を箇条書きすると、次のとおりである。
(1)愛媛の景観と深くかかわり、それを支えながら昭和を生き抜いた人々のくらしに焦点を当てて調査研究した。時代的には
  昭和が中心で、人々のくらしに学ぶという視点から調査した。
(2)現地調査を重視し、生活者の生の声を大切にし、既存の資料に依存することなく、できるかぎりオリジナルな資料をもと
  にまとめるよう努力した。
(3)今回の調査の視点として、「自然と生きるふるさとのくらし」「ふるさとの生き物たちと人々のくらし」「歴史が息づく
  ふるさとのくらし」「変わりゆく風景と人々のくらし」の4つの視点からアプローチを試み、内容の深化を図るとともに、
  地域景観とくらしのかかわりを総合的に明らかにするようにした。
(4)既存の学問(地理学、歴史学、生物学等)の調査方法にとらわれないで、より総合的・学際的に調査しようと試みた。
(5)生涯学習の一環として、県民の皆さんがふるさとの地域調査に気軽に参加していただくために、「聞き取り-語り」を重
 視してまとめた。

6 調査研究方法
(1)文献調査に偏らず、聞き取り調査や実踏調査など現地調査を重視した。
(2)自然科学・人文科学・社会科学等の枠を越えて、学際的なアプローチをした。
(3)学識経験者のみならず、実際に地元で生活を営んでいる方々の協力を重視した。

7 協力者
(1)松友孟先生(愛媛県社会経済研究財団専務理事)には、愛媛学の基本的な考え方と、この調査についての全体的・総合的
  な指導をいただいた。
(2)横飛信昭先生(松山東雲女子大学教授)には、調査の計画や方法及びまとめ方等について指導をいただいた。
(3)昭和を生き抜いた人々のくらしの調査では、聞き取り調査や実踏調査に約200人の方々に協力いただいた。
(4)調査対象の各市町村や教育委員会には、聞き取り対象者の選定や関係市町村の資料の収集などの協力をいただいた。

【凡 例】
 ① 本書は、平成8年5月から平成8年12月にかけて実施した現地調査を中心にまとめたものである。
 ② 聞き取り調査の対象者は、該当市町村(教育委員会)の推薦をもとに、協議して選定したものである。
 ③ 本文については、常用漢字や現代仮名づかい、新送り仮名の使用を原則としたが、聞き取りや歴史用語・専門用語等につ
  いては例外とした。
 ④ 本文中の年代表示は、和暦に(  )書きで西暦を示した。
 ⑤ 本文中の生物名は、カタカナで表示した。
 ⑥ 本文中の単位は、℃、%、kg等で表示した。
 ⑦ 地名は原則として、その当時の用例に従ったが、必要に応じ現在の地名を示した。
 ⑧ 参考文献等は、各節末にまとめて記載した。