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愛媛の景観(平成8年度)

1 岩陰遺跡の里

 上黒岩岩陰遺跡は、今から約1万2千年前の縄文時代草創期から、約1万年間にわたる縄文人の生活の跡である。なぜこんな大昔に、海抜400mに達する山間のこの遺跡に長期にわたって人類が住みついたのであろうか。その答えとして、縄文時代の人々が食糧としたイノシシやシカ、また、クリ、ナラ、トチなどの動植物は暖かい四国では、ほぼ海抜400m以上の土地でないと野生しないこと、ここは雨露を防ぐのにつごうのよい岩陰であり、南向きで日当たりがよく、川に近いため水の便もよく、貝や魚がたくさんとれることなど、この遺跡が縄文時代の人々にとっては、理想的な環境であったことが考えられている(①)。