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愛媛県史 社会経済2 農林水産(昭和60年3月31日発行)

四 水質汚濁などによる突発的漁業被害発生状況


 水質汚濁と漁業被害

 水質汚濁に伴う漁業被害のうち突発的な発生状況について高度経済成長期であり、漁業被害の多発し始めた昭和四六年以降五三年までを表8-13に示したが、全国的にみると海面では油と赤潮による件数が増加傾向にある反面これら以外の工場・船舶・工事中・加害者不明などによるものは減少してきている。
 内水面では工場・事業場によるものや工事中によるものなど一般に減少してきている。これらを総括的にみると昭和四九~五一年頃をピークとして被害件数、額ともに減少してきている。また海面は油によるものが断然多いのに比べ河川では工事中によるものが多い。
 愛媛県のうち海面については、件数は昭和五〇年の一一件が最も多いが被害額では四九年の一三億九、七〇〇万円余が最高であり、これは油濁によるものがほとんどを占めている。また内水面については、昭和四九年が五件で六二〇万円と最高を示したが、このほとんどは工事中その他によるものであった。
 被害件数の最も多い油濁の発生状況に関して昭和四六~五六年間を愛媛県・瀬戸内海・全国で対比してみると表8-14のとおりであり、件数は愛媛・瀬戸内海は昭和四九年がピークであるのに反し、全国は五三~五五年がピークである。しかし被害金額でみるといずれも四九年が最も大きい。昭和五六年でみると全般的に被害件数・額とも減少傾向にある。

表8-13 年次別水質汚濁等による突発的漁業被害発生状況(昭和46~53年)

表8-13 年次別水質汚濁等による突発的漁業被害発生状況(昭和46~53年)


表8-14 油濁被害発生状況(愛媛県・瀬戸内海・全国昭和46~56年)

表8-14 油濁被害発生状況(愛媛県・瀬戸内海・全国昭和46~56年)