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愛媛県史 社会経済2 農林水産(昭和60年3月31日発行)

一〇 開拓用地の登記


 嘱託登記

 自作農創設特別措置法第四四条並びに農地法第七六条の規定は、未墾地の買収、又は、売り渡した土地などの登記に関する根本法としての性格をもっている。
 即ち、昭和二二年三月一二日「自作農創設特別措置登記令」(勅令)昭和二八年八月八日「農地法により買収又は売渡する場合の登記の特例に関する政令」により、国が買収売渡した土地などの登記は、「都道府県知事が職権で、これを嘱託することができる」旨の規定がある。本県では、松山地方法務局並びに各出張所の全面的な協力を得て、鋭意これらの登記促進に努めた。しかしながら、農地改革以来、二〇年以上にわたる自作農創設特別措置法、農地法などにより、買収売渡された農地及び未墾地などの要登記筆数は、わが国始まって以来未曽有の膨大な量(全国推定二〇万筆・二〇万ha)に達しているため、昭和五九年三月現在でも未登記地がある状態である。
 ちなみに、未登記地は、旧軍用地で戦中戦後の混乱期に関係地の境界など確認するいとまがなかった所とか、河川の氾濫地で開畑・開田と同時に区画整理事業などを施工した所とか、旧所有者が多岐にわたり書類整理が困難な所とかである。
 その間、登記完済のための努力は、並大抵ではなかった。例えば、昭和四二年六月一二日公布施行の農地法施行法第二二条の改正により、一定期限までに登記をしないと登録免許税の免税措置が無くなることとなり、法施行を契機に「登記促進四ヶ年計画」を樹て、県農地拓植課の平井一幸氏を専属担当者として、昼夜をわかたず買収登記未了の間に抵当権を設定したとか、個人売買済とか相続の錯誤とか複雑な事案の処理に当たった。
 整理期の登記状況は表3-7のとおりである。

表3-7 登記促進四か年実績(昭和四一年度以前の処分)

表3-7 登記促進四か年実績(昭和四一年度以前の処分)