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愛媛県史 社会経済4 商 工(昭和62年3月31日発行)

五 国領川流域における水利史略年表(工業用水関係)

国領川流域における工業用水関係の水利史略年表を示すと次のとおりである。
昭和五年    新居郡金子村(現新居浜市)金子新田の池沼五反四畝二歩(約五四アール)を住友鉱山㈱へ譲渡する。
〃 七年    新居浜町長白石誉次郎に対し、住友鉱業㈱より吉岡泉譲渡の交渉があった。住友鉱業㈱別子鉱業所が金子村金子新田大渕泉に深井戸を掘る。そのため漸次同部落の飲料水が悪化したので掘り抜き井戸を掘り飲料水の便を図る。
〃 八年    新居郡金子村金子新田大渕泉ほか五か泉・池沼・悪水路及び水利権を住友鉱業別子鉱業へ譲渡する協定が成立する。
〃 九年    新居郡吉岡泉を住友鉱山へ譲渡し、鉱山は日本化学製糸㈱に譲り追加契約が成立する。住友化学工業㈱、住友共同電力㈱が金子・新須賀と国領川付近の地下水に関する契約を締結する。住友化学工業㈱より金子村長に対し、同新須賀に深井戸掘削、敷地利用及び送水管埋没に関
し誓約をする。
〃 一四年   新居郡西谷組と住友鉱山川口新田間に分水協定を締結する。新居浜町金子新田と住友鉱山㈱間に水論起こる。
〃 一七年   住友鉱山㈱新田梅林社宅飲料水に関し東原組との間に分水協定が成立する。
〃 二八年   住友化学工業㈱が国領川第三号井戸が南海地震のため塩水侵入するので、市当局の了解を得て敷島通り上部に深井戸開削に着手し、一二月から送水を開始する。
〃 二九年   新居浜市東雲町(四〇戸)の使用井戸七か所のうち六か所まで使用不能となり、その原因は昨年の住友化学工業㈱の深井戸にあるとして紛糾する。また同市橋本町(四〇〇戸)にも塩水侵入し飲料水に困り紛糾する。新居浜市西原町大島化学㈱の水路・堤使用に関する契約をする。住友化学工業㈱が国領川より送水管五三インチを八〇インチにする付替工事に着手する。
〃 三一年   住友化学工業㈱、住友共同電力㈱と市新須賀との間に地下水に関し協定が成立する。
〃 三三年   市新田町上水道と市上水道間に水論起こり結局住友鉱山㈱より寄付を受ける。
〃 三四年   住友化学工業㈱と垣生・多喜浜・松御子・川東土地改良区連合会と地下水利協定が成立する。