データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

愛媛県史 民俗 下(昭和59年3月31日発行)

あとがき

 昨年にひきつづいて部門史「民俗」の下巻を刊行する運びになった。すでに上巻でも記したように、〈上・下〉二巻をもって県下の民俗事象の概略と諸特徴を可能なかぎり体系的に理解できるよう構成している。
 この〝ふるさと愛媛〟の自然と風土は、そこに豊かな民俗を育んできた。しかし、それらはけっして一様で均質なものではない。県下各地に共通する民俗もあれば、海と山・平野・島の民俗、あるいは県境を越えて広く分布する民俗もある。過去の歴史を反映した層序的な民俗構成も窺える。このような多様な状況のなかで、それぞれの民俗事象が複雑に絡み合い重なり合って〝愛媛の民俗〟という一つの全体像を形成しているのである。したがって読者が構造的な把握を行いうるように配慮したが、充分に意を尽し得なかった点も多い。
 本巻の編さんに当だったのは民俗部会で、全体的な基本構想を部会長の野口光敏が中心となって討議したのち原稿の作成にかかり、編集作業は臨時県史編さん部の森正康が担当した。また、部会構成員と執筆分担は次のとおりである。

第五章(第六節)・第六章
 (部会長)野口 光敏 愛媛県文化財保護審議会委員
第五章(第四節一・第五節一~四)
 (委 員) 森  正史 愛媛大学農学部付属農業高等学校副校長
   第九章
第七章(第一節・第二節)
 (委 員) 中小路駿逸 愛媛大学教養部教授
第七章(第三節)・第十章
 (委 員) 秋田 忠俊 松山商業高等学校教諭
  第八章(第一節・第二節)
 (委 員) 佐々木正興 愛媛県教育委員会文化振興局教育専門員
     第五章(第四節二・第五節五)
  第八章(第三節)
 (執筆協力者) 河野 正文 越智郡大西町役場吏員

 さて、本巻の刊行に際しても、県内外の先学各位の研究成果をひろく活用させていただくとともに何くれと有
益な御助言を賜りましたし、口絵については曽我忍氏の御協力で巻頭を飾ることができました。また、左記の各
位をはじめ多くの方々より資料の提供や御教示をいただきましたことに対し、深く感謝の意を表する次第です。
 愛媛県立図書館・愛媛県教育委員会文化振興局・城川町教育委員会・伊予史談会・愛媛民俗学会
 石鎚神社・前神寺・明石寺・石崎重利・岩井正浩・小口千明・藤田儲三・本田南城
 松本リン一・吉岡忠

昭和五九年三月
愛媛県史編さん委員会民俗部会長 野 口 光 敏