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伊予市誌

一、地質の概要

 伊予市内の地盤は中央構造線を境にして領家帯と三波川帯(長瀞帯)に二分される。
 領家帯での和泉層群は、東は大阪府南部から中央構造線の北側に沿って、西は九州の天草地域まで細長く一連の地帯をなしている。伊予市では前山から森・三秋の丘陵性山地を構成している地域で西は伊予灘に没している。
 三波川帯の中での緑色片岩の層は、高知県の県境から四国の長軸方向に連続して帯状に分布して佐田岬に達し豊後水道に没している。伊予市の南部山地(奥山)は主としてこの地層によって構成されている。
 この緑色片岩層の上に、久万層群がのしかかっている地域がある。平岡山頂の平坦地域と鵜崎地域とがそれである。
 和泉層群と緑色片岩層との境は中央構造線で一大断層の通っている地帯である。破砕層など地盤の軟弱な地帯で、その軟弱な地帯に火山岩が貫入してできたのが、明神山から武領・唐川にかけての火山地帯である。
 和泉砂岩層の北に接して洪積台地が分布している。そして、この洪積台地は扇状地におおわれたり、河成沖積層によって分断されている。これらの台地の北側は重信川の沖積平野となっているが、下吾川の北部は海成沖積層となっている。森の山地の和泉砂岩層は郡中断層により郡中層と接し北西部は伊予灘に没している。