データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

伊予市誌

3 坂本日吉神社社叢の植物

 この神社は八倉地区にあり、古く七二八(神亀五)年の創建以来地元住民に崇敬されて来た。最近公開された図絵によると、約二〇〇年前には立派な社殿と背後の山頂に至る広大な社域を持っていた様子がわかる。
 社叢はツブラジイ、スダジイの古木(幹周ニ・五m、樹高一五mを超えるものが多い)をはじめ、モガシ(ホルトノキ)、ヤマモモ、ネズミモチ、ヤブツバキ、クスなどの常緑広葉樹を高木、亜高木とする暖帯性の植生が見られるが、種数は少なく比較的単純である(第29図)。
 このようにシイ類、クスの大木が多いことは神域であるがゆえに保存されて来たのであり、今後も保護されなければならない。現在専住の神職が不在であるからその任は地域住民にかかっている(この植生調査は元愛媛県林業試験場王任研究員得居修氏の指導による以下4、5、6も同じ)。