データベース『えひめの記憶』
伊予市誌
8 鵜崎・唐川の植物
外山から鵜崎への道は行道山や谷上山の丁度裏側になる。伊予市としては、最も高い所であるためか、比較的植物相にも変化が多い。秋になると黄花のハマカンギク・アキノキリンソウ・白花のリュウノウギク・ノジギク・ヤマシロギク・シラヤマギクの類から湿地のヌマダイコン・スイラン・ワレモコウ、乾燥地のツワブキなどの花が目につく。唐川方面にでると、まず第一にタブノキが所々に見える。ビワ・ミカン・カキなどの果樹園が谷間の段々畑に見事に経営されている(『愛媛の自然』八木繁一著)。
五月に訪問したある農家では、このあたりで採集できるヂエビネ・キエビネ・シコクカッコウソウ・キチジョウソウなどが植えられて美しい花を咲かせていた。障予山のふもとには斜面に第34図のように美しいピンクの花をつけたシコクカッコウソウの群落があったが、今は見るかげもない。
また、ここでめずらしいのは美しいシダのアオネカズラである。砥部町の山地や鵜崎等に十何年か前には多く見られたが、今では山草家の乱獲によってほぼ消滅してしまった。
この地方には次のような植物が見られる。
〔双子葉植物〕
合弁花 メハジキ・ハッカ・キツネノマゴ・カラスウリ・アキノタムラソウ・メナモミ・クサギ・ムラサキシキブ・ナギナタコウジュ・イワタバコ・ヤクシソウ・コウヤボウキ・センダングサ・ヒレアザミ・アキチョウジ・クマツヅラ・イヌコウジュ
離弁花 キンミズヒキ・ヌスビトハギ・カラムシ・タニソバ・イヌビワ・イタビカズラ・チャ・アラカシ・ツブラジイ・ノタケ・バリバリノキ・カラスノマゴ・コマユミ
〔単子葉植物〕
チヂミザサ・エノコログサ・ススキ・イタチガヤ・アブラススキ・タチネズミガヤ・アブラガヤ・テンツキ
〔シダ植物〕
ホシダ・イワソテツ・カニクサ・ゼンマイ・イノデ・ヤブソテツ・イタチシダ・ヤシャゼンマイ・クリハラン・ヒロハヤブソテツ・アマクサシダ・フモトシダ・ゲジゲジシダ・ヤワラシダ・ノコギリシダ・ミゾシダ・ヒメカナワラビ・コバノカナワラビ・ヒノキシダ