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伊予市誌

三、生活習慣病

 公衆衛生の進展と医療・医薬の進歩は、戦後の一九四〇年代後半から、以前の国民の重要死因が結核の感染症から成人病、すなわち、脳血管疾患(脳卒中)・悪性新生物(がん)・心疾患(心臓病)に変化をした。
 成人病は、四〇歳以降の働き盛りの成人に忍びよることから、社会的にも家庭的にも重大な脅威を与えることになる。これらの疾患の診断・治療には、高度の技術と設備を要する。そのため、公的な機関において成人病対策を行うことが社会的要請となってきた。
 成人病は、人口の高齢化と比例し増加が予想され、また、生活習慣と発症との関係も明らかになってきた。生活習慣病の改善を目指して、一次予防を推進するために、一九九六(平成八)年新たに「生活習慣病」という概念が導入され、「成人病」は「生活習慣病」に変更され、その発展方向で、二〇〇三(平成一五)年五月一日、健康づくり計画の法的基盤として健康増進法が施行され、また、二一世紀を健やかに生活できる活力ある社会とするために、国の健康づくり計画「健康日本二一」、愛媛県では「健康実現えひめ二〇一〇」が策定された。
 本市においても、これらを受けてより一層の健康増進と発病予防のため「一次予防」に重点を置く対策を強化推進し、早世(早死)と要介護状態を減少させ、健康寿命の延伸等を図ることを基本理念として、二〇〇四(平成一六)年三月末「伊予市健康づくり計画『元気でしあわせ☆健康い~よ21!』」を策定した。
 本市における死因の第一位はがん、第二位心疾患、第三位脳血管疾患であり、二〇〇一(平成一三)年の五大主要死因別比率(第66表~第68表)に示しているとおり、生活習慣病による死亡が全体の六二・五%を占め、今、正に生活習慣病対策は緊急の重要課題に位置付けられている。したがって、保健施策は、「健康はつくるもの」という視点から、積極的な一次予防のための諸事業を展開している。

第66表 愛媛県主要死因順位別年次推移

第66表 愛媛県主要死因順位別年次推移


第67表 伊予市主要死因順位別年次推移

第67表 伊予市主要死因順位別年次推移


第68表 伊予市死因別死亡数及び率

第68表 伊予市死因別死亡数及び率