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伊予市誌

2 商工会議所

 商工会議所は、地域的総合経済団体として、地域内における商工業の総合的な改善発達を図るとともに、商店相互に密接な連携をとり、社会一般の福祉の増進を考え、共存共栄の実を上げてきた大きな推進力の核である。

 郡中実業会
 一八八七(明治二〇)年ころ、郡中町の商工業者によって結成され、地方実業の発展に尽力してきた。郡中実業会から藤谷豊城に与えた文書(藤谷家蔵)には、次のように書いてある。

 「本会役員会の決議ヲ以テ特別会員ニ推薦仕リ候。本会ハ地方実業ノ発達隆盛ヲ企画シ共同ノ福利ヲ増進スルヲ以テ目的トシ組織シタルモノニコレアリ候。精々御尽力ノ程切望タテマツリ候。敬具」
     明治二九年一二月一〇日
                       郡中実業会

 伊予商工会議所の沿革
 一九四七(昭和二二)年三月一日、城戸豊吉が設立発起人総代となって、郡中町商工会議所を設立した。初代会頭に岡部義雄が就任した。
 同年五月九日、民法に基づく社団法人として、商工大臣の設立認可を受け、同時に公益法人に指定され、伊予郡全域をもって設立し、これを郡中・松前・砥部・中山・上灘の五区に分けて各区に支部を置き、事務所は郡中町灘町二五番地に置いた。一九五一(昭和二六)年四月、現在地の下吾川一五一四の二番地に商工会館を建設した。
 一九五三(昭和二八)年一〇月、現行の商工会議所法が施行され、一九五五(昭和三〇)年三月一八日に本会議所の組織変更、通産大臣の許可を受け、同法に基づく特殊法人となる。一九六〇(昭和三五)年一〇月に商工会法が成立し、従来任意団体であったものが本法に基づく特殊法人として新発足するとして、会議所地区から分離して商工会を設立した。以後、伊予商工会議所となる。
 伊予商工会議所の歴代会頭は次のとおりである。
  初代 岡部 義雄 昭和二二・三  五~同 三〇・九・一三
  二代 梶野賢太郎 同 三〇・九・一四~同 三八・九・二五
  三代 明関 和雄 同 三八・九・二六~同 五八・六・一九
  四代 城戸  恒 同 五八・六・二〇~平成一二・三・三一
  五代 泉  正紀 平成一二・四・ 一~同 一五・六・二六
  六代 岡部 悦雄 同 一五・六・二七~現在

 商工会議所の事業内容
 伊予商工会議所の事業を掲げると次のとおりである。
①商工会議所としての意見を公表し、行政庁等へ具申し、又は建議する。
②商工業に関する調査研究(景況等について)をする。
③商工業に関する情報又は資料の収集と刊行
④商工業者の事業内容、その他商工業に係る事項に関する証明(営業証明等)をする。
⑤輸出品の原産地証明をする。
⑥商工業に関する講演会又は講習会を開催する。
⑦商工業に関する技術・技能の普及及び検定(珠算・簿記等)を行う。
⑧商取引の仲介をする。
⑨商工業に関する相談及び指導に当たる。(経営・経理・金融等について商工業者の相談に応じたり、その指導に当たる。)
⑩行政庁から委託を受けた事務をする。
⑪その他商工会議所の目的を達成するために必要な事業をする。