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中山町誌

二、 地目別土地面積

 中山町の平成六年一月現在における地目別土地面積の状況を、「愛媛県統計年鑑」から見ると、表1-1のとおりであり、その構成比をグラフに表したものが、図1-5である。
 中山町は、総数七五・四二平方キロメートルのうち、山林が最も多く四八・三一平方キロメートル(構成比率六四・一パーセント)と、町全体の面積の約三分の二を占めている。ついで畑の一六・九九平方キロメートル(構成比率二二・五パーセント)、ついで、その他・田・宅地の順となっている。各項目の数値は、固定資産台帳に登録された地籍で表している。
 中山町の土地利用の現状を見ると、多くの山林が人工植林されている。ほかに畑・果樹園を中心に、水田などの営農利用とゴルフ場などに利用されている。
 図1-6は、土地利用の状況のうち、水田、畑、果樹園、ゴルフ場芝地を表したものである。水田は各河川の流域に、畑・果樹園は山腹や山麓の緩斜面に比較的多く広がっている。
 地目別面積の昭和三五年以降の推移を、「愛媛県市町村別統計要覧」の農業統計・林業統計と、「愛媛統計年鑑」からまとめたものが表1-2である。表1-1と数値が異なるのは、現況を表しているからであろう。
 田・普通畑ともに、昭和三五年以降減少傾向を示している。これは、山間地での耕作の難しさによる転作、昭和四五年からの国の減反政策にともない他に転用したこと、兼業農家の増加と高齢者農業に頼らざるを得ないことなどによる減少が考えられる。
 樹園地は昭和五〇年頃までは増加してきた。これは、昭和三〇年代の後半から始まった柑橘ブームに乗っての柑橘栽培、また、栗の栽培などによるものであろう。
 その後減少に転じたのは、柑橘においては適地適作を無視して栽培されていたものが生産過剰をむかえて整理されたこと、栗の市場での消費の減少・輸入の増加に伴う採算割れなどによる規模の縮小、また共通なものとして地形的要因、専業農家少数による労働力不足もあって、耕地拡大が図れないことなどが考えられる。
 森林面積の総計は、昭和三五年以降減少してきたが、昭和五五年を境にわずかながら増加に転じている。森林計画による森林面積の細部には、増減の著しいものがあるが、森林面積全体は、昭和五〇年以降四七~四八平方キロメートルとほとんど増減がない。わずかながら増加したのは、田・畑などの耕地が山林などに転用されたものと考えられる。
 宅地面積は、「愛媛県統計年鑑」の資料によるものであるが、昭和三五年以降わずかずつ増加している。全町的に人口の減少傾向のある中で、中山町の中心地の豊岡一のように、増加しているところでは宅地開発が進んだことが考えられる。今後も定住促進政策の推進による、宅地の造成・住宅の建設などのために、宅地面積の増加が見込まれる。

表1-1 地目別土地利用状況

表1-1 地目別土地利用状況


図1-5 地目別土地面積の構成比

図1-5 地目別土地面積の構成比


図1-6 中山町の土地利用

図1-6 中山町の土地利用


表1-2 地目別土地利用の推移

表1-2 地目別土地利用の推移