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中山町誌

二、 人口動態 ②

 (三) 男女・年齢別人口構成
 男女・年齢別人口構成を、昭和三〇年以降、五年ごとに図示すると、図1-12のようになる。
 昭和三〇年~平成二年を見ると、後年になるほどピラミッド型から釣りがね型に大きく変わり、かつ背が高くなっており、人口の高齢化が見られる。
 平成二年を見ると○歳~四歳幼年層、二〇歳~三四歳の青年・壮年層と、四五歳~四九歳の充実した年齢層が少なく、不安定な型となっている。最多は六〇歳~六四歳層で、人口構成の高齢化が著しいことを示している。
 また、各年とも、一五歳~二四歳層が一〇歳~一四歳層に比べて急激に減少しているのは、前述したように就職・進学による町外転出の多さが要因である。
 人口の構成の推移を表すものに、総人口に占める六五歳以上の老年人口を割合で表す高齢化比率、六五歳以上の老年人口と一四歳以下の年少人口の比を指数で表す老齢化指数、一五歳~二九歳層の総人口に占める割合で表す若年者比率などがある。
 高齢化比率は、国際連合では四パーセント未満、四パーセント以上~七パーセント未満、七パーセント以上に区分し、七パーセント以上を「老化した人口」と定義している。これにあてはめると、中山町は、佐礼谷村と合併して新しい中山町が発足した昭和三〇年には、高齢化比率七・二パーセントと高齢化社会に入り、平成二年には二二・一パーセントと高齢化が一段と進み、今後も一層進むことが予想される。
 老齢化指数を見ると、昭和四五年の全国平均は三〇・〇だが中山町は四四・八と高く、その後の変化も激しく、平成二年には一二八・五と老年人口が年少人口を大きく上回っている。
 若年者比率では、昭和五〇年ごろから、再び若年者の減少傾向が見られる。将来の町づくりを担う若年者の減少は、町にとって大きな社会問題であり、減少に歯止めをかけ、どのようにして増加を図るかが、今後の大きな課題である。
 女子の人口が男子の人口を上回っているのは愛媛県全体の傾向である。この様子を表すものに、女子人口の男子人口に対する割合で表す女性化率があり、昭和三〇年以降絶えず一〇〇を上回っている。
 表1-4は、高齢化比率・老齢化指数・若年者比率・女性化率を示したものである。また、図1-13は、年少人口・生産年齢人口・老年人口・若年人口の変遷を表したものである。
 二一世紀を目前にして、中山町は、老年人口増加の半面、一五歳~六四歳の生産年齢人口・一五歳~二九歳の若年人口、一四歳以下の年少人口が、いずれも減少しているという超高齢化社会を迎え、これが、より深刻な社会問題になっており、行政の今後の重要な課題となっている。

  (四) 産業別人口構成
 平成二年の国勢調査によれば、中山町の労働力人口は、三、一三五人(男子一、六五六人、女子一、四七九人)である。これは総人口から一四歳以下の年少人口・非労働力人口・完全失業者を差し引いた人数であり、生産年齢人口とは異なった数値となっている。労働力人口は総人口同様に昭和三〇年以降多少の増減はあるが、減少傾向が見られる。図1-14は、その推移を表したものである。
 平成二年の産業別就業状況を表示したものが、表1-5である。
 このうち、第一次産業就業者は一、三二三人(構成比三九・三パーセント)、第二次産業就業者は八五三人(同二七・二パーセント)、第三次産業就業者は一、〇四八人(同三三・五パーセント)となっている。昭和三五年からの産業別就業人口の推移を見ると、図1-15のように、第一次産業就業者が減少し、第二次産業就業者・第三次産業就業者が増加してきている。
 これは、昭和三〇年ごろからの経済成長に伴う産業構造の著しい変化によって、第二次産業・第三次産業の飛躍的な発展と、第一次産業である農林業の衰退が大きな要因と考えられる。

 (五) 世帯の動態
 中山町の世帯数の椎移を見ると、人口の減少とともに減少してはいるが、人口の推移と比べて世帯数の推移は緩やかである。
 平成二年の一世帯当たりの構成人数が三・五七人と、県下七〇市町村第二位にある要因は、就業場所の少ない町内にあって、家庭の中核となる後継者が、親の元気なうちは町を離れて就業するなど、世帯構成人員の一部が転出し、高齢者夫婦世帯・高齢者単独世帯などとして、世帯が町内に残ることが考えられる。また、三世帯同居の世帯の多いことも考えられる。
 昭和三五年以降の一世帯当たりの構成人数の推移を図1-16で示すと、次第に減少しているのがわかる。この原因は、出生数の低下や核家族化とともに、転出が世帯ぐるみでなく、世帯構成人員の一部によるものとも考えられる。

図1-12 男女・年齢別人口構成

図1-12 男女・年齢別人口構成


表1-4 高齢化比率・老齢化指数・若年者比率・女性化率

表1-4 高齢化比率・老齢化指数・若年者比率・女性化率


図1-13 年少人口・生産年齢人口・老年人口・若年人口の変遷

図1-13 年少人口・生産年齢人口・老年人口・若年人口の変遷


図1-14 中山町の労働力人口の変遷

図1-14 中山町の労働力人口の変遷


表1-5 平成2年の職業(大分類)就業者数

表1-5 平成2年の職業(大分類)就業者数


図1-15 産業別就業人口の変遷

図1-15 産業別就業人口の変遷


図1-16 一世帯の構成人数の変遷

図1-16 一世帯の構成人数の変遷