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中山町誌

第一節 愛媛の気候の概要

 愛媛県は、北部・西部は、瀬戸内海・宇和海にまたがり、東部・南部は主峰石鎚山をはじめとする四国山地に囲まれており、全般に温暖である。しかし、複雑な地形によって、気象条件も異なっており、大きく東中予地方沿岸地域と南予沿岸地域と県南部の山地の三つに分類される。
 東中予地方の沿岸部地域は、年平均気温摂氏一五度前後、年降水量一、二〇〇~一、六〇〇ミリメートルの温暖小雨の瀬戸内気候区である。これは、夏期は南東の季節風が、冬期は北西の季節風が四国山地によりさえぎられるからである。
 南予沿岸地域は、宇和海に面し、気候は温暖で年平均気温摂氏一六度前後、最低気温も氷点下になることは少ない。冬期は積雪、降霜も少ないが、北西の季節風が強い。また、夏期には台風の影響を受けることが多い。年降水量は、一、六〇〇~一、九〇〇ミリメートルと比較的多い、太平洋気候区である。
 この両者にはさまれた四国山地の内陸部は、沿岸部の気候と異なり、高原的な気候を示し、夏期は涼しく、冬期は積雪の期間も長い。年平均気温も摂氏一二~一四度と低い。久万・大洲などの盆地では霧の発生も少なくない。また、降水量も多く、年降水量は一、九〇〇~二、〇〇〇ミリメートルにもなる、山岳気候区である。

図3-1 愛媛県の年平均気温分布

図3-1 愛媛県の年平均気温分布


図3-2 愛媛県の年平均降水量分布

図3-2 愛媛県の年平均降水量分布