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中山町誌

一、 概要

 中山町の気象観測の歴史は、中山小学校が昭和一五年四月に松山地方気象台から雨量観測所の委託を受けたのが始まりである。その後、昭和二六年一月には気候観測所に、さらに昭和三〇年七月に甲種観測所に指定されて観測を続けてきたが、気象観測の近代化が図られて、アメダスをはじめとする地域気象観測システムが整備されるとともに、昭和五三年一月末をもって観測を休止した。
 地域気象観測システム「アメダス」は、伊予消防等事務組合中山出張所に設置されるとともに、同所は、昭和四八年から県農業気象観測所・地域気象観測所として、降水量、気温、湿度、日照について観測を続けている。
 中山町は、地形が複雑な上に標高差もあって、簡単には表せないが、前述の瀬戸内気候区と太平洋気候区と山岳気候区の三つの狭間にあたり、気象条件は、それぞれの中間的のものを示すことが多い。
 年平均気温は摂氏一四~一五度、降水量一、七〇〇ミリメートル前後と、やや低温・多雨である。冬期にはまれに積雪があるが、深くて二〇センチメートル程度である。中山川が大きく蛇行している長沢付近では、秋から冬にかけて霧の発生を見ることがある。