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中山町誌

三、 行政改革

 昭和五九年(一九八四)に閣議決定された「行政改革の推進に関する当面の実施方針」により、すべての地方公共団体は、昭和六〇年八月末日までに行政改革推進の方針を定めるよう、自治事務次官から求められた。
 このため、町は、昭和六〇年三月定例町議会で提案可決された「行政改革推進委員会設置条例」(昭和六〇年中山町条例第六号)に基づいて、町長の諮問に応じ、町の行政改革の推進に関する重要事項を調査審議する委員一五人を任命し、併せて町長を本部長とする行政改革推進本部を設置した。
 行政改革推進委員会が昭和六〇年九月に答申し制定された「中山町行政改革大綱」の内容は次のとおりであった。

   中山町行政改革大綱
一、基本方針
(一) 時代の変化に対応
 社会情勢の急激な進展、住民の価値観の変化に伴う行政需要の多様化高度化等、本町行政環境は一段と厳しさを増してきている。
 このような厳しい環境の中で、様々な問題に機動的、弾力的に対応するためには、「簡素にして効率的な行政」を実現することが必須の条件である。

(二) 簡素化、効率化
 現下の社会経済情勢に鑑みて、今後とも健全財政を堅持しつつ、効率的な行政の執行に努め、かつ機動的な財政運営に努める必要がある。
 このため、行財政を厳しく見直し、拡大、充実すべきものは更に発展させ、抑制すべきものは抑制するという方向での簡素合理化に努めると共に、事務処理のOA化の推進等、町政の一層の効率的執行を促進する。

(三) 財源の確保
 地方交付税、各種国県補助金が厳しく見直される方向にあり、町民のニーズを充たす「新しいまちづくり」の財源は、町独自の努力によって確保しなければならない。
 当面の政策課題である産業の振興対策、福祉対策推進等新しいまちづくりのため新たな財政需要が見込まれており、財源の確保が重要な案件となっている。
 このため、自主財源確保の一助とすべく町単独補助金の整理合理化等、行財政全般にわたって厳しく見直しを行う。

(四) 町政に対する信頼性の確保
 町政が円滑にその役割を遂行するためには、町民の行政に対する信頼を確保することが必須の条件である。
 簡素にして効率的な町政、しかも公正で民主的な運営こそがこれに応えるものであり、その基礎を成すのは人であって、公務員としての倫理の確立、常に新しい時代に対応する知識の習得等自己研鑽に努め、能率向上によって信頼される町政の確立を期すものである。

(五) 今後の取り組み、対応
 行政改革の推進にあたっては、「中山町行政改革推進委員会」の答申を尊重し、議会運営と連携しつつ全町が一体となって取り組むと共に、町民をはじめ各方面の理解と協力が得られるよう努める。
 また、多様化する行政需要に対応し、地域社会の活性化及び町民福祉の増進のため、引き続き行政改革を推進する。

二、当面の措置事項
(一) 事務事業の見直し
  ア 補助金の整理合理化(昭和六一年度~六三年度)
   町単独補助金交付制度全般について見直しを行い、補助の目的、効果等に再検討を要するもの、金額の零細なもの等について、廃止、統合メニュー化、総合補助金化等の措置を講じ、又はサンセット方式を導入するなど、次のとおり抜本的整理合理化を図ると共に、今後における町単独補助金制度の新設及び補助金の増額は、厳に抑制する。
  イ 各種団体の事務局(会計)を職員が事実上兼務していることについて、次の団体事務局を除いてこれを行わないこととし、行政の責任分野の明確化について当該団体の理解を得て実行する(昭和六一年度)。
   中山町土地開発公社 中山町土地改良区 中山町社会福祉協議会 中山町まごころ銀行 中山町防犯協会 中山町職員互助会 中山町営農指導協議会 同和対策協議会 同和教育協議会 中山町夏まつり運営協議会 中山町ふるさとまつり運営協議会 中山町観光協会 佐礼谷振興会 二か市町村以上で構成する期成同盟会または協議会(法定外)等で、本町が事務局を担当することと定められた団体
  ウ 町税前納報償金制度を廃止する(昭和六二年度)。
  エ 事務のOA化と並行し伝票会計制度について検討し、これの導入を図る(昭和六二年度)。
  オ 会計事務における口座振替制度の確立を図ることとし、町民等の理解を得て完全実施に移す(昭和六一年度)。
  カ 幼稚園保育料の五〇〇円引き上げを行う(昭和六一年度)。
  キ 原動機付き自転車及び小型特殊自動車の標識の再交付手数料を、五〇〇円(現行二〇〇円)に引き上げる(昭和六一年度)。
  ク 現行手数料等の見直しを行い、現下の経済情勢を勘案して適正化を図る(昭和六二年度)。
  ケ 中山町野うさぎ駆除報償金交付規則を廃止する昭和六一年度)。

(二) 組織機構の簡素合理化
  ア 課設置条例を改正し、一課削減して五課制とする(昭和六二年度)。
  イ 次の事務について、マトリック方式の導入を図る(昭和六一年度)。
    防犯 青少年対策 不良化防止 危険対策 同和対策(地域改善事業、同和教育)
  ウ 支所機能は存続するが、事務所を診療所内に移し、現事務所一ケ所を閉鎖する(昭和六一年度)。
  エ 文書事務のOA化(ワードプロセッサーの導入)の推進と合わせ、タイプ専門職員制を廃止する(昭和六一年度)。

(三) 給与の適正化
  ア 従来から国家公務員の給与制度に準拠し、国・県の指導に基づいて適正運用を図ってきたところであるが、なお引き続き適正化に努める(昭和六〇年度)。
  イ 特殊勤務手当の新設は、真に必要がある場合を除いて厳しく抑制し、新設の必要が認められる場合においても特に慎重を期す(昭和六〇年度)。

(四) 定員管理
  ア 退職者後補充の抑制、組織機構の簡素合理化、OA化等事務改革の推進を積極的に進め適正化に努める(昭和六四年度三~五名削減)。
  イ 新たな行政需要への対応が必要となった場合も、原則として配置転換によって対処し、定数増は行わない(昭和六〇年度)。
  ウ 単労職は可能なかぎりパートタイマーに切り替え、学校用務員(事務職員の在職する学校)の退職後補充はパート雇用とする(昭和六一年度)。
  エ 職員研修制度の充実強化を図ると共に、小グループ活動等を通じての創造的能力活用対策を推進する(昭和六〇年度)。
  オ 現行提案制度を改善し、自己研修意欲の向上を図る(昭和六〇年度)。
  カ 計画的な職員採用に努め職員年齢構成の適正化を図る(昭和六〇年度)。

(五) 民間委託、OA化等の推進
  ア 学校給食業務については、受託業者の育成、関係者間における合意形成等中間委託環境の整備に努め、これが成熟段階において業務委託を検討する(目標昭和六三年度)。
  イ 現在行っているコンピューターシステム導入に係る事務量調査の成果に基づき、行政の経営的視点と科学化の視点から検討し、これに基づいてOAシステムの推進を図る(昭和六一年度)。

(六) 会館等公共施設の設置及び管理運営の合理化
  ア 次の施設の管理運営については、地域へ委託する(昭和六一年度)。
    永木構造改善センター
    野中構造改善センター
    佐礼谷生活改善センター
  イ 前記以外の会館等施設の管理運営についても、委託内容等について検討を加え、これの改善を図る(昭和六一年度)。

(七) 議会の合理化
   ア 議員定数については、現在の条例による定数から二名減少とする(次期一般選挙から)。
   イ 議会費の節減については、極力抑制に努めてきたところであるが、さらに効率的運用に努める(昭和六〇年度)。
○行政改革推進委員会委員氏名
  会長 橡木 武雄
  会長職務代理者 仙波 道淳
  委員 二宮 百行  谷本 祥聰  亀田 忠輝
     神山  通  仙波 隆則  谷口 徳衛
     窪田ナツ子  仙波サトシ  宮崎 則數
     藤本 末好  山本  武  入岡  猛
     植田 好弘