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中山町誌

四、 老人福祉 ②

 老人クラブ
 老人クラブは、老人がその居住する地域社会において、クラブ活動を通して自らの生きがいを高め、その生活を健全で豊かなものとし、社会の一員として役割を果たし、老人達の努力で老人福祉の増進を図ろうとする意欲的な盛りあがりから作られたものである。
 本町では、昭和四〇年になって中山老人クラブが結成された。続いて永木老人クラブ(昭和四〇年一一月)、佐礼谷老人クラブ(昭和四一年)、そして野中老人クラブが昭和四二年に結成された。地区ごとに六〇歳以上の老人を対象に自主的な運営がなされている。
 昭和四四年頃(明確な記録はない)には、中山町老人クラブ連合会が結成された。歴代会長は次のとおりである。
 初代会長 仙波 文翁   昭和四四年~四七年
 二代〃  森岡 數栄   〃四八年~六二年
 三代〃  松本 茂明   〃六三年~平成二年
 四代〃  松本 吉兼   平成 三年~現在
 平成六年度単位クラブ数二二、会員数六五一名である。

 一〇〇歳顕彰条例
 本町は、多年にわたり地域社会の発展に貢献してきた一〇〇歳以上の長寿者を顕彰し、その功をねぎらうとともに、町民の敬老の精神の高揚を図ることを目的として、平成三年一二月一〇〇歳顕彰条例を制定した。該当者は次のとおりである。
 平成四年二月柚ノ木 高橋ナヽヨ 明治二五年二月二二日生
  〃四年七月源 氏 梅岡  雪 明治二五年七月九日生
  〃六年四月安別当 岡本 琴代 明治二七年四月二七日生
  〃七年一月永 木 山本仁多馬 明治二八年一月二一日生

 高齢者サービス調整チームの設置
 本町は、高齢者の多様なニーズに対応し、個々の高齢者のニーズに見合う最も適切なサービスを提供するため、保健福祉医療等に係わる各種サービスを総合的に調整推進することを目的として、平成二年三月一〇日(告示第一二号)中山町高齢者サービス調整チームを設置した。
 このチームの構成メンバーは、松山地方局老人福祉担当主事、保健所保健婦、町内の医師、医療関係者、社会福祉協議会の職員及びホームヘルパー、民生児童委員、保健福祉、保健衛生、医療担当の職員となっている。

 老人福祉施設対策
 高齢者が寝たきり状態等になった場合で、家庭の事情等のため家族から必要な介護を受けられない場合には、老人ホームへの入所が必要である。
 しかし、本町には特別養護老人ホーム等の施設はなく、今後の建設に期待されているところである。

 広域福祉施設の設置(松山広域市町村圏事業等)
 昭和四七年二月に、松山広域市町村圏(三市九町四村)が結成された。昭和五〇年八月二八日、松山広域福祉施設事務組合が設立されたのに伴い、昭和五一年一二月一日特別養護老人ホーム久谷荘並びに救護施設みさか荘が、松山市恵原町に建設された。本町からの久谷荘への入所者は、三名である。(平成六年一二月現在)
 また、伊予郡内五町村組合立の伊予郡養護老人ホーム(和楽園)が松前町北伊予に建設され、昭和三五年五月開所された。本町から五名の入所者がある。(平成六年一二月末現在)
 中山町関係者の老人福祉施設入所状況は次のとおりである。(中山町保健福祉課調、平成六年一二月末日)
 特別養護老人ホーム入所者
 伊予あいじゅ(伊予市)二名、ガリラヤ荘(川内町)三名、久谷荘(松山市)三名、済生会三津(松山市)一名、緑風荘(小田町)二名の合計一一名である。
 養護老人ホーム入所者
 江南荘(松山市)一名、和楽園(松前町)五名の合計六名である。

 老人憩の家
 昭和四九年九月着工、同年一二月竣工木造平屋建二七四平方メートル(敷地面積九四五平方メートル)工事請負費二、〇〇〇万円を要し「中山町憩の家」が建設された。
 老人憩の家の目的は、町内の老人に対し教養の向上、レクリエーション等の場を与えて、老人の心身の健康増進を図ることとされている。昭和五〇年二月一日から開館した。建設当時の施設の概要は図4―2、表4―19のとおりである。
 平成二年三月中山町デイサービスセンター(C型)が老人憩の家に併設され現在に至っている。

 老人保健事業
 老後を明るく生きがいのあるものにするためには、心身の健康保持が必要不可欠のものがあるが、このための施策として実施されているのが老人保健法に基づく老人保健事業である。
 昭和五七年に老人保健法が制定され、昭和五八年二月一日から施行されている。これらの保健事業は住民に身近な市町村で実施されているもので、保健事業のうち医療等の対象者は、七〇歳以上の者及び六五歳以上七〇歳未満でねたきり等一定の障害の状態にある旨の市町村長の認定を受けたものとなっている。
 一方医療等以外の保健事業については、老人の病気の中心を占める高血圧、脳卒中、心臓病等のいわゆる成人病は、壮年期からの日常生活及び健康管理と密接な関りがあること等から四〇歳以上の者を対象としている。(図表 老人保健事業・一部負担金の推移 参照)

 中山町老人保健福祉計画
 65歳以上の高齢者は本町では、現在二二パーセント(平成五年)を超え、県下で三一位の高齢化率であり、平成一一年には、三三パーセントとなり、三人に一人となる見込みである。このことは、将来において、高齢者の要介護・医療費負担増等、保健・福祉・医療について多くの問題を抱えることを意味している。
 一方、高齢者を支える状況は、核家族や、女性の社会進出などにより、家庭における家族の介護力の低下傾向が今後とも続くものと予想され、要介護老人の介護サービスのニーズは急速に高まるものと考えられる。このことを前提として、必要な老人保健福祉サービスを地域において、提供できる体制を速かに整備する必要がある。
 このサービス提供体制を整備するに当っては、高齢者が、「いつでも、どこでも、だれでも」必要な保健福祉サービスを利用できることを目指して整備されるものとされ、中山町は、平成一一年度までに達成すべき、サービスの目標量や、提供体制、推進方策を明らかにした「中山町老人保健福祉計画」を平成六年一月に策定した。

表4-18 平成6年度地区老人クラブ一覧

表4-18 平成6年度地区老人クラブ一覧


図4-2 老人憩の家

図4-2 老人憩の家


表4-19 施設の概要

表4-19 施設の概要


表4-20 老人医療費の推移 (町給付額~一部負担金を含まず)

表4-20 老人医療費の推移 (町給付額~一部負担金を含まず)


老人保健事業

老人保健事業


一部負担金の推移

一部負担金の推移


表4-21 人口構成の推移 (中山町)

表4-21 人口構成の推移 (中山町)


表4-22 ねたきり老人の推計

表4-22 ねたきり老人の推計


表4-23 痴呆老人 年齢別出現率

表4-23 痴呆老人 年齢別出現率


表4-24 虚弱老人

表4-24 虚弱老人