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中山町誌

一、 江戸時代の農業

 江戸時代は、領主=武士が封建的土地制度をもとに、農民から年貢米を取りたて、藩政の基盤を形成する時代であった。
 村には、庄屋が置かれ、領主に代わって年貢を取り立てたり、農家の統制をとる役目が与えられていた。
 庄屋は大庄屋や代官の指示に従って村の政治を行い、その代りに村の中でも庄屋地といわれる、年貢が安くて収益の多い土地が与えられていた。
 従って、生産力を高めようとする努力も農民のものとはならず、常にそれを上回る領主の年貢請求がなされた。
 農民は、藁で髪をくくり、縄を帯にして、麦めしを食べ、ほとんどが雑穀を主食にしていた。米は「六公四民」などと言われるように、収穫した米の六割は年貢米に、四割が実収入になるという、かなりきびしい生活であった。
 さらに、水害や旱魃など天災に会うことも多く、こうした圧迫の多い制度の中で、農民は苦しい生活状態からのがれる道を信仰に求めた。
 神仏の力で貧乏を追い払い、安泰豊穣を祈願したのである。

図1-1 土臼による籾摺

図1-1 土臼による籾摺