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中山町誌

第五節 農業経営の推移と主要農産物

 概要
 中山町の農業の現状は、前節で説明したとおり、主幹となる作目に乏しく、多品目からなる構成となっている。
 表1-24は、伊予中山農協の農産物取り扱い実績である。
 昭和四〇年代が農業生産の最盛期であり、その当時は、葉たばこ・栗・みかんが本町の主要三本柱で、いずれも最盛期には三億円以上の売上げを記録した。
 しかし、経済の高度成長化が進んだ四〇年代末期から五〇年代にかけ、農業と他産業従事者の所得格差がさらに拡大することにより、農業離れが著しく、後継者が激減した。
 その結果として、農業労働者の高齢化、婦女子化が進行し、労働力の低下を招く結果となった。
 国際化が進む今日、低価格農畜産物の輸入に対して、コスト的に対応しがたい現状にあることも事実であるが、国内消費者側のニーズとしては、安全・新鮮・高級品嗜好であることもはっきりしているため、何らかの対応策はあるはずで、早急かつ長期的な政策が求められている。
 第三世界の人口爆発が、世界的に深刻な問題となっている中で、自国の農産物自給率をどこまで保つことができるかが、大きな問題と言える。
 今日こそ、農業問題を国民的見地から見直す大切な時と思える(前節・新政策参照)。

表1-24 伊予中山農協農産物取扱い実績

表1-24 伊予中山農協農産物取扱い実績