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中山町誌

一五、 優良樹育種研究会

 昭和三七年頃佐礼谷森林組合長岡田定藏は、林業先進地とされる京都北山地方から磨丸太材生産の優良種といわれる柴原・吉兵衛・白杉を導入して植林した。
 中山町における素材生産は従来小丸太材生産を目的とし、植林から三五~五〇年を必要とする長伐期経営であるが、磨丸太材の生産は、密植枝打ちを行い必要に応じ順次間伐を行いつつ一〇~二〇年の短伐期で収入を得る方法で林業経営の近代化を促進することをねらいとしたものである。
 この優良樹の普及と林業経営の改善を目的として、昭和四五年に二〇歳代の篤林家二八名によって設立されたのが「優良樹育種研究会」である。初代会長にはこの会結成の発起人である城戸通信が就任した。
 この会は森林組合と密接な連繋を保ちつつ、優良樹の導入や、育種の研究、磨丸太の生産技術の研究その他本町林業近代化についての研究実践を行っている。
 林業を取り巻く環境は厳しく、森林経営離れが進む中で若い者が同志的結合によって近代化に取り組むこの会の活動が期待されている。
 なお歴代会長を列記すると次のとおりである。
 城戸通信・窪中修一・上ノ田明弘・上西幸雄・泉田幸一・武智実・島岡和雄・大野文雄・松本武文・上田芳文。