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中山町誌

四、 中山町の取り組み

 近年、わが国の国際化は急速に進展しており、国際化社会における相互依存の関係はますます深まってきている。このような中で、広い視野と豊かな国際感覚を身につけた児童・生徒を育てることが、新しい教育の課題とされている。これを受けて、中山町では国際化に即応できる人材の育成を目指して様々な事業に取り組んでいる。

 1 英会話教室
 昭和六一年(一九八六)から、松下文治を講師に招いて、社会人を対象に英会話教室を開いた。当初から受講者が少なく、町役場の一〇名前後の職員が受講していたが、時間的な制約もあって次第に低調となり、翌年度からは小・中学生の教室も開講されることとなった。
 開講当時は、小・中学生合わせて三、四〇名だった受講者が、平成六年一〇月現在で約七〇名に増加、小学校四、中学校二の六クラスの編成となっている。

 2 海外との交流活動
 平成三年度までの海外派遣
 「郷土愛媛と国際社会を考える会」を主宰し、本町の英会話教室の講師でもある松下文治は、県内各地で英会話の指導をするかたわら、子供たちを海外旅行に引率して国際交流を図ってきている。本町では、昭和六三年(一九八八)に小学校五年の中塚君がその第一号としてヨーロッパへ行った。
 以来、平成元年度からは、人材育成事業の一環として、中山町から経費の一部を補助するようになった。この事業も平成四年度から本格化し、中山町とオーストラリアのゴールドコースト市が提携して相互交流を実施するようになった。

 相互交流
 平成四年度(一九九二)から、毎年夏休みに五名程度の中学生をオーストラリアのゴールドコースト市へ派遣し、九月には、ゴールドコースト市からの生徒を数名本町へ受け入れる交流活動を実施している。
 滞在期間は約一〇日間で、子供たちはそれぞれ個人の家庭へ引き取られ、相手国の生活を直に体験できるようにしている。
 中山町では当初三ケ年の期限をつけてゴールドコースト市と契約していたが、これを五年延長して、平成一一年度までこの事業を継続することにしている。また、この事業を幅広く有効に進めるため、推進母体となる「国際交流協会」(仮称)の設立が望まれている。

 3 まつやま中学生海外派遣
 松山市では、昭和五七年(一九八二)から財団法人「国際交流協会」が市内の中学生の海外派遣を進めてきた。第一一回(平成四年度)には近隣の市町村の中学生にも参加が呼びかけられ、中山町からも毎年一名ずつ参加している。これまでの参加者は次の三名である。
  平成四年度 (中二)松浦みなみ 女(犬 寄)
   〃五年度 (中二)上田 哲平 男(泉町一)
   〃六年度 (中二)宇都宮宣子 女(泉町三)
 最近では、オーストラリア・ホームステイに参加した生徒の保護者たちから、オーストラリアへ旅行して親善を深めたいという声も出始めているということである。

表1-15 平成3年度までの海外派遣児童

表1-15 平成3年度までの海外派遣児童


表1-16 オーストラリアホームステイ派遣団員

表1-16 オーストラリアホームステイ派遣団員