データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

中山町誌

第二章 衣食住の変遷

 衣食住は、人の生活上最も基本的なものであるが、藩政時代は、御法度で質素倹約を強制されたり、特別な生活制限をうけたりした。そのためこの時代には衣食住に関する生活文化はあまり進歩をみなかった。
 明治維新を境として倹約規制が解かれ、やがて文明開化の波が押し寄せ、衣食住とも洋風が取り入れられるようになった。しかしハイカラが流行しはじめたといっても、それが可能な人は一部に限られていて、全般的には急にぜいたくはできなかった。大正・昭和初期を経て第二次世界大戦の終戦前後数年間は、きわめて不自由な生活状態であった。戦後一〇年余りして生産能力も復興し物資が豊富になり、流行の変化が激しくなった頃、テレビの普及とともに、農村の生活状態は著しく都市に接近してきた。以下、中山町の衣食住の変遷について、その概略を記述する。