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追刊 中山町誌

第四節 環境衛生

 一、簡易水道
 中山町最初の水道施設として昭和四五年に中山地区簡易水道施設が完成し、昭和四六年に佐礼谷地区簡易水道施設、その後給水量増加が見込まれたため、昭和五五年より中山地区簡易水道拡張工事が行われた。続いて平成四年より佐礼谷地区簡易水道拡張工事が行われて現在に至っている。
 この間の簡易水道施設概要及び施設状況は平成八年度編纂中山町誌に掲載されている。
 その後平成六年に村中地区から水道施設整備の強い要望が出された。現在佐礼谷地区には佐礼谷地区簡易水道施設が完備されている。しかし、佐礼谷地区簡易水道施設は今以上の取水量の増加は河川管理者の同意が得られなかったため佐礼谷地区に編入ができなかった。そのため平成六年に水道事業の経営認可を受け村中地区簡易水道が整備された。平成七年七月一日から給水開始され現在に至っている。
 さらに、永木地区簡易水道が平成八年八月に工事に着手し平成九年三月に完成。給水区域である中山町大字中山字永木、福住、梅原の各一部が同年四月一日から給水開始となり現在に至っている。
 又、平成一一年一一月に中山簡易水道拡張工事に着手した。今回の拡張工事では、給水区域下門前、下福元地区を対象に日頃から水不足に悩まされている地区の生活用水の確保を図った。平成一四年三月に給水開始をし、今日に至っている。
 この他、中山町では県条例水道施設が五ヶ所あり地形的な問題により給水が困難な所にも整備が進み快適な生活の改善が営まれている。
 平成一六年三月三一日までの全体の水道普及率は五四・一パーセントである。
 なお、平成一六年三月三一日現在の給水施設状況は別表の通りである。


 二、ごみ処理施設
 内子町・五十崎町・肱川町・河辺村・広田村・中山町により構成された内山衛生事務組合では、昭和五〇年ごみ処理施設を建設し二三年間稼動を続けていたが、施設の老朽化が進み、またダイオキシン対策など公害防止も不十分で、平成一一年、新たな施設、内山クリーンセンターを建設した。
 内山クリーンセンターでは、一日一六時間運転二一トンの処理能力を有し、公害対策に備えた施設で、恒久的なダイオキシン類削減対策等の排ガス処理設備が設置され、今後も公衆衛生の向上が図られる。
 また資源の再利用のためごみの分別収集が全国的に実施されるようになり、本町においても、平成一〇年四月一日より古紙(ダンボール・雑誌・新聞紙・牛乳パック等)の収集、同一五年四月一日よりペットボトルおよび白色トレイの収集が開始された。
 地球環境をまもるため、また生活環境の向上を図る上で、ごみ問題は今後ますます重要となり、時代に即した対応が望まれる。


 三、し尿処理施設
(一) 清流園
 大洲・喜多衛生事務組合は昭和三七年八月一六日設立されたが、現在の組合構成は一市六町二村(大洲市・長浜町・内子町・五十崎町・肱川町・河辺村・双海町・広田村・中山町)で、管内人口は八一、四一四人・二九、四二四世帯(平成一六年三月三一日現在)である。
 現在の処理施設は平成一二年三月二五日竣工の清流園で、一日に一〇〇キロリットルの処理能力を持つ。標準脱窒素処理方式にさらに高度処理を加えた先進の設備で、自然環境保全に努めている。
 (二) 浄化槽の設置整備
 環境省では、昭和六二年に合併処理浄化槽設置整備事業(現:浄化槽設置整備事業)を創設した。
 本町においても、この要綱に基づき浄化槽を設置しようとする住民に対し設置費用を対象に補助を行い浄化槽の設置を図ってきた。しかし、平成六年度に市町村自らが設置主体となり浄化槽の面的整備を推進する特定地域生活排水処理事業(現:浄化槽市町村整備推進事業)が創設された。そこで、本町においても下水道整備計画地域以外の全地域が合併処理浄化槽整備事業の補助対象地域となったため、平成一〇年度から新規事業として特定地域生活排水処理事業(現:浄化槽市町村整備推進事業)に取り組んだ。
 この事業を取り組むことにより、適正な維持管理が確保され、より高度な水質浄化が図られた。町民の浄化に対する意識の高揚、浄化槽設置の気運醸成が高まる中、全町の下水道化をめざしている。なお、浄化槽市町村整備推進事業設置状況は表5―18のとおりである。


 四、下水道
 (一) 中山町特定環境保全公共下水道事業
 中山町の公共下水道事業は、平成五年、町の中心集落をなす中山・山淵地区の四八ヘクタールについて認可を得て事業に着手した。
 平成七年度より豊岡二区の一部において汚水管敷設工事に着手し、その後順次管渠敷設工事・処理場建設工事に取り組み、平成一一年六月から豊岡・東町地区を皮切りに、一部供用を開始した。
 平成一〇年度末、管渠のおおむね六〇パーセントの整備を終えており、中山町浄化センターについては、日本下水道事業団の協力を得て、同八年建築工事に着手、第一期事業を完了した。当初計画から五年を経過した平成一〇年に、予定処理区域に隣接して特別養護老人ホームおよび二つの住宅団地の開発や栗の里関連施設が稼動を始めたこと等により、これらの汚水を下水道に受け入れる目的に、約一〇ヘクタールの区域拡張を行うとともに事業の執行年度を五ヵ年延長し、平成一七年度とした。
 その後も順次処理区域を拡大し、平成一四年度末をもって予定処理区域五八ヘクタールのうち五五ヘクタールの整備を終え、現在も進行中である。
 (二) 農業集落排水事業
 社会経済の発展とともに生活様式も高度化され、農村をとりまく環境は、家庭雑排水による農業用水・公共水域の汚濁をまねき、農業生産・生活環境に影響を及ぼしている。
 このため本町では、生活環境の改善、あわせて公共水域の水質保全を図るために、農業集落におけるし尿・生活排水等の汚水等を処理する施設を整備し、生産性の高い農業と活力ある農村社会の形成に資することを目的に、農業集落排水事業に取り組んだ。
 平成一〇年七月、農業集落排水処理施設・犬寄クリーンセンターが供用を開始、犬寄地区では基幹作物であるキュウリ・トマトを中心に意欲的な営農が進められており、土地の有効利用が図られている。
 また平成一二年四月、佐礼谷クリーンセンターが供用を開始、佐礼谷地区では圃場整備も完了しており、基幹作物である水稲のほか、柑橘類(なし等)の栽培も盛んである。


表5-16 簡易水道施設概要(中山地区)

表5-16 簡易水道施設概要(中山地区)


給水施設状況

給水施設状況


給水区域、給水人口及び給水量

給水区域、給水人口及び給水量


表5-18 地区別合併処理浄化槽設置状況

表5-18 地区別合併処理浄化槽設置状況


特定環境保全公共下水道事業計画(変更)概要

特定環境保全公共下水道事業計画(変更)概要